女優の今田美桜が主演を務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜・午前8時)の第49話が5日に放送され、主人公・のぶの葛藤と妹・蘭子への告白、そしてそれに対する視聴者の様々な反応が描かれた。
のぶは、兄に赤紙が届き不安を抱える子どもたちに対し、勇ましい言葉をかけてしまったことに複雑な思いを抱いていた。この心の内を妹の蘭子に打ち明ける場面があった。「子どもらの前では、早う戦争に勝って、終わらせましょうって、勇ましいこと言うけんど、心の中は震えゆうが…」と、自身の本心と建前との間の乖離を告白。「蘭子の言う通りや。うち、変わってしもうた」と、かつての自分との変化を認め、言葉を選びながら蘭子に思いを伝えた。
のぶはさらに、夫の次郎に対しても本当の気持ちを話せなかった後悔を吐露。蘭子が「お姉ちゃんのことやき、『お国のために立派なご奉公を』とか言うたがやろ?」と問うと、のぶは「うん」と認めた。本当に言いたかった言葉を尋ねられたのぶは、「どうか…生きて戻うてきて、って…」と、夫の無事を強く願っていた本心を明かしたが、それを口にする勇気がなかったと語った。これに対し、蘭子は「次郎さん、さみしかったやろうね」と、不在の夫の気持ちを慮った。
連続テレビ小説「あんぱん」第49話より、今田美桜演じるのぶと河合優実演じる蘭子の会話シーン
こののぶと蘭子の会話シーンに対し、インターネット上では様々な意見が飛び交った。蘭子が兄・豪を亡くしている状況で、のぶが自身の不安や夫への思いを打ち明けることに「え、それ蘭子に話すん?」「蘭子ちゃんの前で言いたい放題だな…ちょっとは気ぃ遣えよ…」「よく蘭子にそんな事言えるねって思ってしまう」と、のぶの言動に戸惑いや疑問を呈する声が多く見られた。「朝田家の人達って往々にして人の気持ちとか無視してお気持ち表明してきてるからそこだけはブレてない感じ」といった辛辣な意見も。
一方で、話を聞く側の蘭子に対しては「蘭子ちゃんもよく怒らずにのぶちゃんの話聞いてあげてるよ。蘭子ちゃんの方が大人やな」「豪ちゃんを亡くした蘭子にその相談はどうなんだろう?蘭子も優しいな」「蘭子は無神経な姉に対して優しいね。私の苦しみがちっとはわかったかえ?とか言ってもええんやで」と、その包容力や優しさに同情し、称賛する声が寄せられた。
肯定的な反応としては、「のぶちゃんと蘭子ちゃんの会話が切ない いいな姉妹って 言える相手がいて良かった」「蘭子は本当ののぶをよく理解してる」といった感想もあり、姉妹の絆や相互理解に焦点を当てる見方も存在した。
また、前日4日に放送された第48話では、次郎のカメラで朝田家の家族写真を撮る際、のぶが「ヤムおんちゃんと豪ちゃんもおってほしかったな、って…」と口にした場面があった。これを聞いた蘭子は胸に手を当て「豪ちゃんはここにおるき」と返した。悪気はなかったと思われるのぶの発言だが、このシーンも視聴者からは「のぶって、なんかデリカシーのない人、ってイメージ…」といった指摘があり、今回の第49話での蘭子への告白と合わせて、のぶのキャラクター性について議論が巻き起こっている。
のぶが戦争という大きな波の中で変化し、本心を隠さざるを得ない状況にあること、そしてその葛藤を最も近しい存在である妹に打ち明けることで描かれる姉妹の関係性が、視聴者に様々な感情や議論を呼び起こしている。今後、のぶが自身の本心とどう向き合っていくのか、そして彼女の言動が周囲にどのような影響を与えるのか、注目が集まる。
[internal_links]
【参考】
報知新聞社