「日本で最もホット」な万博会場 猛暑の過酷な実態

今、日本中で最も注目を集める場所の一つが、大阪・関西万博会場です。20万人近い来場者が押し寄せた6月28日を含む3日間、現場を徹底取材した報告によると、会場では想像を絶する猛暑が来場者やスタッフを襲っていました。本記事では、灼熱の会場内で明らかになった過酷な暑さの実態をお伝えします。

夢洲駅到着:一変する空気

6月28日午前10時、万博会場の玄関口である大阪メトロ・夢洲(ゆめしま)駅に降り立った記者は、まず地下構内の27℃という気温に安堵しました。しかし、階段を上がるにつれて空気は徐々に熱を帯び、地上に出た瞬間、来場者の多くが一斉に日傘を差す光景を目にしました。駅出口前の東ゲート付近では、この時点で32.1℃を記録。近畿地方はこの前日に、史上最速で梅雨明けを迎えたばかりでした。

炎天下の入場列と冷気届かぬスポットクーラー

正午入場のチケットを持つ来場者たちは、すでに炎天下に長蛇の列を作っていました。直射日光を遮るものがない人波に向けて、5月中に設置された複数のスポットクーラーが稼働していましたが、その冷気が届く範囲は通風口からせいぜい周囲3m圏内にとどまり、涼を得られるのはごく一部の人だけでした。

まだ体力と気力が残る序盤では、「ゆでダコになるわぁ」「ちゃうちゃう、こんなに暑いともうタコ焼きや」といった冗談も飛び交っていましたが、時間の経過と共に状況は厳しさを増していきました。

酷暑の大阪・関西万博会場、大屋根リング下で暑さに疲れ寝そべる来場者たち酷暑の大阪・関西万博会場、大屋根リング下で暑さに疲れ寝そべる来場者たち

午後になり、暑さで体調を崩す来場者も出始め、大屋根リング下などでは寝そべる人の姿が目立つようになりました。

現場を支えるスタッフの奮闘

会場の運営を支えるスタッフたちも、猛暑の中で過酷な業務に当たっています。東ゲート前で警備を担当する30代の男性は、時給2300円という好条件に惹かれ、福岡から住み込みで働いているといいます。「覚悟はしていましたが、これほど暑いとは……」と語り、会社支給の塩あめを舐めながら人員整理を行っていました。

会場内の清掃員の一人は、ダストボックス横のパラソルの日陰に設けられた椅子で休憩しながら、「ここは天国です」と笑いました。彼は大阪市内のオフィスビル清掃から万博会場に派遣された精鋭チームの一員ですが、午後は空調がないトイレ清掃を担当するとのこと。「万博のトイレは熱気がこもって、10分も入ってると頭がクラクラしてくるんです」と話し、来場者の増加に伴いトイレ内の作業時間が増加している現状を明かしました。

結論

大阪・関西万博会場は、記録的な猛暑により、来場者だけでなく現場を支えるスタッフにとっても極めて過酷な環境となっています。直射日光を遮る場所の不足や、一部エリアでの空調の不備などが、この状況を一層厳しくしています。今後の会期中、いかにこの猛暑対策を講じ、来場者とスタッフの安全を確保するかが大きな課題と言えるでしょう。

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