日本を代表する野球界のレジェンド、長嶋茂雄氏(巨人軍終身名誉監督)が6月3日に逝去されたことを受け、テレビ朝日系「徹子の部屋」は5日の放送で追悼企画を組みました。この中で、長嶋氏が2003年に出演した際の貴重な映像が公開され、長嶋氏自身が語った長男・一茂さんに関する衝撃的な「伝説」の真相が改めて注目を集めています。
伝説となった「一茂さん置き去り事件」
番組で放送されたのは、当時66歳だった長嶋氏が出演した回です。司会の黒柳徹子さんとの対談の中で、長嶋氏はプロ野球選手としての自身の野球観について語りました。「命がけで技術を追求しなければならない。プロである以上は」と、技術への絶対的なこだわりを持つ一方で、「そればかりでは勝負のバランスでは難しい。ある程度したらパッと捨てきるというか、無にするというか。そういうものも大事」と、時にはこだわりを手放すことの重要性も説いていました。
この「切り替えの良さ」に触れ、黒柳さんから長嶋氏の有名な逸話の一つである「一茂さんを球場に置き去りにしたことは本当か?」と問われると、長嶋氏は苦笑いを浮かべながらその真相を話し始めました。
「うん。一茂がまだ幼稚園前でしたかね。昔の後楽園球場ね。野球にちょっと興味を持ったから連れて行ったんです」と、当時の状況を振り返りました。試合に出場していた長嶋氏ですが、その日の自身のプレーは最悪だったと言います。「その時は4-0でね、三振2つしたのかな。おまけに守備でトンネルしましてね。最悪の状態だった」と、散々な内容だったことを明かしました。
自身の不甲斐ないプレーに、長嶋氏の心は怒りと悔しさで満たされたそうです。「自分としては最悪のゲームをしてしまったんです。お客さんに対して申し訳ないと。自分のバランスが全くどうしようもない。怒り狂った状態で。カッカしながらね、一茂をちょっと忘れてきちゃった」と、試合のショックと自身の怒りに我を忘れ、幼い一茂さんを球場に置いてきてしまった経緯を生々しく語りました。
[
2014年7月に撮影された巨人軍終身名誉監督、長嶋茂雄氏の写真](https://news.yahoo.co.jp/articles/d2ecef89820bcabaee66bce883c0a411d61b886d/images/000)
黒柳さんが「おうちにお帰りになってドアを開けたら、奥さまが『一茂は?』って」と確認すると、長嶋氏は「それでハッと気が付きましてね」と、妻の言葉でようやく思い出したことを認めました。幸いにも、チームのマネージャーが気づき、一茂さんを自宅まで連れてきてくれたとのことです。
当時の心境について、長嶋氏は「もう野球のことだけですよね、頭に」と、申し訳なさそうに語りました。このエピソードは、長嶋氏の野球に対する尋常ではない集中力と情熱を示すものとして、長きにわたり語り継がれる「伝説」となっています。今回の「徹子の部屋」での放送は、改めてミスタープロ野球と呼ばれた長嶋氏の人間味あふれる一面と、野球へのひたむきな思いを浮き彫りにしました。
Source link: https://news.yahoo.co.jp/articles/d2ecef89820bcabaee66bce883c0a411d61b886d