フジテレビ、第三者委員会報告受け元編成部長を降職・休職処分に

フジテレビは5日、[third-party committee investigation report](第三者委員会の調査報告書)に記載された事案に関し、元編成制作局編成部長を含む対象者に対して懲戒処分等を行ったことを発表しました。この処分は、2025年3月31日付の調査報告書を受けて、6月2日付で実施されたものです。特に、調査報告書において「B氏」とされた元編成制作局編成部長については、降職(4段階)および懲戒休職(1ヶ月間)という重い処分が下されました。今回の発表は、一連のハラスメント問題や不適切行為に対する同社の対応を示すものとして注目されています。

フジテレビ本社ビル、第三者委員会報告に基づく懲戒処分を発表フジテレビ本社ビル、第三者委員会報告に基づく懲戒処分を発表

処分決定に至る経緯とプロセス

フジテレビが公表した書面「懲戒処分等について」によると、今回の懲戒処分等を実施するにあたり、同社は調査報告書の内容を踏まえつつ、外部の弁護士によって改めて事実確認や関係者への意向確認を相当な時間をかけて行いました。特に、被害に遭われた方への救済に関する意向確認が重視されました。

懲戒処分等の内容を議論する賞罰審査委員会は、多様性を考慮した構成で合計5日間、6回にわたる審議を重ね、合計12時間以上の時間を費やして判断に至ったとのことです。さらに、判断の客観性を高めるため、外部弁護士から過去の裁判例や他社の同種事案における一般的な水準に関する助言を受け、他の弁護士によるセカンドオピニオンも取得しています。

同社は、被害者に対する二次被害防止の観点に加え、関係者に対する懲戒処分もまた人権に関わる問題であるとの認識のもと、上記のような慎重な手続きを経て今回の報告に至ったと説明しています。

元編成部長(B氏)の非違行為詳細と処分内容

今回、降職および懲戒休職の処分を受けた元編成制作局編成部長(B氏)に対する非違行為の概要は、以下の通りです。

  1. 本事案発生後、番組出演者1からの依頼を受け、女性Aに対して見舞品を届けたり、弁護士を紹介・調整したりするなど、女性Aへの二次加害となり得る不適切な行為を行ったこと。ただし、行為当時に女性Aが上長に申告した被害内容や病状・心情を十分に把握していなかった点などが考慮され、退職勧告や懲戒解雇には至らなかったとされています。
  2. 2021年12月の会食で、番組出演者1と2、そして女性社員ら2名のみがホテルに残るよう働きかけられた際、会食に参加した自社社員の中で最も職位が高かったにも関わらずこれを止めず退室し、その後残った女性社員の一名がハラスメント行為を受けたこと。
  3. 番組出演者3との会食中に女性社員を呼び出し、その後、女性社員がトイレに立った隙に自身と他の参加者が退室し、女性社員と番組出演者3の2名のみを残した結果、移動先の店内で女性社員がハラスメント行為を受けたこと。
  4. 2020年頃および2023年に、後輩の女性社員を食事に誘い、その際にハラスメント行為を行ったこと。これらの行為についても、役位剥奪、降職、退職勧告または懲戒解雇を科すことが相当とされる事情は認められなかったとされています。

これらの非違行為に対し、具体的には以下の処分が下されました。

  • (1)~(3)の非違行為:降職(4段階)
  • (4)の非違行為:懲戒休職(1ヶ月間)

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今回の発表は、一連の問題に対するフジテレビの内部調査および対応が一定の区切りを迎えたことを示していますが、企業として、また公共の電波を扱うメディアとしての信頼回復に向けた道のりは今後も続きます。公表された再生・改革への具体的な取り組みを含め、今後の動向が注視されます。

参考資料