参政党・宮出千慧氏の軌跡:大阪選挙区で歴史的勝利、その背景と注目発言

2022年7月20日深夜、「行くで! やるで! 宮出!」の掛け声が響く中、参政党の宮出千慧氏(40)が大阪選挙区で当選確実となりました。これは、自民党が27年ぶりに議席を失うという歴史的な敗北を喫した選挙区での快挙であり、彼女の政治キャリアと発言に大きな注目が集まっています。

宮出千慧氏の歩み:留学から参政党へ

宮出氏は大阪府河内長野市で3人兄妹の末っ子として育ちました。府立富田林高校ではダンス部に所属するなど活発な学生時代を送り、建築関係の仕事を目指し京都工芸繊維大学に進学する予定でしたが、アメリカ・オクラホマ州立大学へ留学。その後、日本へ戻り大阪の建築会社で経験を積みました。

彼女が参政党に入党したのは2022年1月。コロナ禍における政府の感染対策に危機感を抱き、参政党の政策に共感したことがきっかけだと報じられています。同年10月の衆院選大阪1区では落選したものの、今回の参院選で再び公認候補として出馬。梅村みずほ議員らと共に地元での選挙戦を展開し、神谷宗幣代表も大阪に2度訪れるなど、党全体の支援を受けて後半から支持を拡大していきました。結果として、維新の牙城とされる大阪で3位に食い込むという、目覚ましい成績を収めました。

注目を集める政策と発言

宮出氏が選挙戦で掲げた主な政策は、消費税廃止や「日本人ファースト」といったものです。しかし、彼女は一部で物議を醸す発言もしています。

例えば、2022年7月15日には「発達障害は親の愛情不足」だと語ったことが報じられました。さらに、同年5月の党の政治資金パーティでは、「皆でイメージすれば日本を変えられる。スピリチュアルではなく、量子力学でも証明されている」という独自の見解を述べ、その理論が注目を集めました。

共産党を支持する家庭背景と歴史観

宮出氏が特に注目されたのは、個人演説会で自身の家庭背景について明かしたことです。彼女は、参政党とは対照的な政策を掲げる「共産党を支持する両親」のもとで育ったと告白。母親の影響で『しんぶん赤旗』を読んでいた経験にも触れ、共産党の議員が熱心に勉強していることや、『赤旗』の取材力は評価する一方で、自身の歴史観については異なる見解を示しました。

「沖縄に対しても本土の人は悪いことをしたんだということをずっと教えられて」「どれだけ日本が悪かったかというのを刷り込まれて育ってきました」と述べ、自身の育った環境で植え付けられた歴史観に疑問を呈しています。また、国歌「君が代」を巡る過去の経験についても言及しました。

宮出千慧氏の当選は、日本の政治に新たな風を吹き込むものとして、今後もその活動と発言が注目され続けるでしょう。


参考文献