「有吉の夏休み」野呂佳代への体型いじりに批判殺到、木村拓哉の紳士的対応と明暗分かれる

9月6日に放送された有吉弘行(51)の特別番組『有吉の夏休み2025 密着77時間 in Hawaii』(フジテレビ系)において、有吉による“ある女優”への“いじり”が物議を醸しています。毎年恒例の人気番組ながら、特に女性の体型に関するデリケートな問題が浮上し、現代社会のコンプライアンス意識が問われる事態となりました。一方で、野呂佳代さん(41)に対し、異なる場面で「紳士的」と称賛される対応を見せた木村拓哉(52)の行動が比較され、芸能界における表現のあり方に注目が集まっています。

左に木村拓哉、右に有吉弘行。番組での野呂佳代への対応が話題に左に木村拓哉、右に有吉弘行。番組での野呂佳代への対応が話題に

「有吉の夏休み」で野呂佳代が体型いじりの標的に、SNSでは批判の声

今年の『有吉の夏休み』は放送13回目を迎えましたが、昨年はレギュラーだったフワちゃんがトラブルにより活動休止となり、出演シーンが全カットされる異例の事態がありました。このため、今年はピンチヒッターとして元AKB48、SDN48の野呂佳代さんが抜擢されました。野呂さんは近年女優として活躍の幅を広げていますが、その高いバラエティ力にも定評があります。場の空気を読み、求められるトークを繰り出す能力や体を張る姿勢は、番組制作側から重宝される存在です。また、有吉さんと同じ事務所の後輩であることから、スムーズな掛け合いも期待されていました。

しかし、番組内で有吉さんが野呂さんに対して行った執拗な体型いじりが、多くの視聴者の不快感を買う結果となりました。野呂さんはふくよかな体型を活かし、ファッション誌などでプラスサイズモデルとしても活動していますが、有吉さんは番組中、ことあるごとに彼女の体型を話題にしたのです。例えば、最初の食事シーンで食べ放題のステーキハウスを訪れた際、満腹の野呂さんに「(もっと)食べられるだろ?」と促したり、食後に水を頼んだ野呂さんに「お砂糖はどうする?」と尋ねるなど、一貫して“大食い”キャラクターとしていじり続けました。これに対し、X(旧Twitter)では「体型いじりが酷くて観てて嫌だった」「ちょっとしつこい」「こんな時代なのに、ここまでなら大丈夫だろう、みたいな感覚がなくなっちゃってる感じ」といった批判の声が相次ぎました。テレビ関係者は、二人の間に信頼関係があるからこその“愛あるいじり”であるとしながらも、コンプライアンスが厳しくなっている令和の今、女性の体型をいじって笑いを取ることに対し嫌悪感を抱く視聴者が多かったと分析しています。

「有吉の夏休み」で体型いじりの対象となった野呂佳代。プラスサイズモデルとしても活躍「有吉の夏休み」で体型いじりの対象となった野呂佳代。プラスサイズモデルとしても活躍

木村拓哉が示す「紳士的対応」:対照的な評価

一方で、野呂さんをゲストに迎え、体型の話題になったにも関わらず、真逆の評価を得て株を上げた人物がいます。それは木村拓哉さんです。今年4月、木村さんは自身のYouTubeチャンネルの番組で野呂さんと共演しました。番組内で、木村さんが野呂さんのために服を選んでいる際、野呂さんが自身の服のサイズを「XLなんです……」と申し訳なさそうに打ち明けました。しかし、木村さんは一切茶化すことなく、すぐに持っていたLサイズのアイテムをXLサイズへと交換。撮影スタッフたちの間では笑いが起こる場面もありましたが、木村さんは真面目な表情を崩さず、熱心にコーディネートを考え続けました。このさりげない気配りに対し、ネット上では「紳士的な対応が素晴らしい」「体形イジリしない木村さん、本当に素敵」といった称賛の声が相次ぎました。

その後、再度木村さんと共演したラジオ番組で、野呂さんはこの出来事がネットニュースに取り上げられ、想像以上に広まったことについて「必然的に私がXLだってことが非常に広まって」と自虐的にコメントしました。これに対し、木村さんは「まぁでも、それは服のサイズですから」と優しく切り出し、「大事なのは心のサイズです」とフォロー。この「完璧すぎる対応」は、またもや大きな話題となりました。テレビ関係者は、木村さんの姿勢が、今日の社会が求める人物像を体現していると高く評価しています。

令和時代の芸能界における「コンプライアンス意識」の明暗

有吉弘行さんと木村拓哉さん、同年代である二人の人気タレントが、女性の体型というデリケートなテーマに対し、全く異なる対応を見せたことは、令和時代の芸能界におけるコンプライアンス意識の明暗を浮き彫りにしています。かつては笑いとして許容されていた表現が、社会の変化とともに許されなくなりつつある現状を示しており、特に公共性の高いテレビ番組では、その影響力がより一層問われます。

個人の信頼関係に基づく「いじり」であっても、それが不特定多数の視聴者にどのように受け取られるか、また、それが社会的な規範や倫理に反していないかという視点を持つことが、芸能人やメディア関係者にはこれまで以上に求められています。視聴者の多様な価値観を尊重し、誰もが安心して楽しめるコンテンツを提供するためには、表現の自由と社会的責任のバランスを常に意識することが不可欠です。今回の事例は、芸能界全体が時代の変化にどう適応していくべきかという問いを投げかけるものでしょう。

参考文献: