フジテレビ、IP戦略を強化 「コンテンツカンパニー」への転換目指す

フジテレビは8日、東京・台場の同局本社にて「コンテンツラインナップ発表会 2025秋」を開催し、IP(知的財産)戦略の強化について説明しました。同局は「コンテンツカンパニー」への転換を目指す中で、新たな戦略の一つとして「未来に向けたコンテンツIP・配信展開」を掲げています。

フジテレビのコンテンツラインナップ発表会に登壇する上垣皓太朗アナウンサーフジテレビのコンテンツラインナップ発表会に登壇する上垣皓太朗アナウンサー

IP・アニメ事業の具体的な展開

フジテレビは、IP戦略の一環として具体的なアニメ展開を進めています。今年4月には人気アニメ『ワンピース』や「ノイタミナ」枠を全国ネット化し、7月には『めざましテレビ』発のショートコンテンツ『パペットスンスン』の放送を開始しました。さらに10月からは、デイタイムや深夜アニメ枠「+Ultra」「B8station」などで、計11枠13作品を展開する予定です。長年愛される「ガチャピン・ムック」など既存キャラクターのIP事業拡大方針も示されており、多角的なコンテンツ展開への意欲がうかがえます。

『キャラビズジャーナル』終了の背景と関係者の声

一方で、これまでキャラクタービジネス業界のキーパーソンを取材し、同局のIP戦略を紹介してきた番組『キャラビズジャーナル』(毎週日曜5:10~)は、秋の改編をもって終了することが発表されました。同番組は、IPビジネスにおけるフジテレビの旗艦的な位置づけにありました。

加藤正臣投資戦略センター室長は、番組終了について「IP戦略の全体的な方針が変わったという意味で番組を閉じるわけではございません。いろんな形でのPRを模索していきたいと思っています」と説明し、戦略そのものが後退したわけではないことを強調しました。

上垣皓太朗アナウンサーが考案したオリジナルキャラクター「等高線おばけ」上垣皓太朗アナウンサーが考案したオリジナルキャラクター「等高線おばけ」

番組の地上波レギュラーで初MCを務めた上垣皓太朗アナウンサーは、この発表会の司会も担当しました。上垣アナは「ここまで取材させていただいた企業の皆さん、本当に感謝を申し上げたいです。キャラクターを生み出し、そして支え続けるという努力が、どれだけ尊いものかというのを感じてきましたので、番組終了は残念ではありますが、これからの仕事に生きていくと思っています」と、自身の経験と思いを語りました。そして、「最終回は1時間スペシャルということが決定しまして、9月28日放送です。ぜひご覧いただきたいと思います!」と、視聴者へのメッセージを強くアピールしました。

フジテレビは、IP戦略を今後の成長の核と位置づけ、既存コンテンツの強化と新たな挑戦を同時に推進しています。『キャラビズジャーナル』の終了は一つの節目ですが、同局のIP事業全体の方針に変更はなく、多角的な展開を通じてコンテンツカンパニーとしての地位確立を目指します。

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