「ルフィ」と連携か 「JPドラゴン」リーダー、フィリピンで拘束 特殊詐欺事件に新展開

フィリピンを拠点に活動する犯罪グループ「JPドラゴン」のリーダーとされる人物が、現地国内で拘束されたことが明らかになった。このグループは、日本国内で広域強盗事件を引き起こし社会を震撼させた「ルフィ」グループとの連携が指摘されている。今回のリーダー拘束は、60億円以上が奪われたとされる一連の特殊詐欺・広域強盗事件の解明に向け、重要な一歩となる可能性が考えられる。

フィリピンで拘束されたJPドラゴンリーダー

拘束されたのは、「JPドラゴン」のリーダー、吉岡竜司容疑者(55)だ。JPドラゴンはフィリピンを活動拠点とし、主に違法賭博などに関与してきたとされる犯罪グループ。その組織規模から、従来より日本の暴力団との関連も疑われてきた。さらに、一連の特殊詐欺事件においては、「ルフィ」グループと連携し、裏で暗躍している可能性も指摘されていた。吉岡容疑者がフィリピン国内で拘束されたのは6月4日のこと。福岡県警が、吉岡容疑者が警察官になりすまして日本人に電話をかけ、キャッシュカードを盗んだ窃盗の疑いで逮捕状を取得しており、これに基づく拘束と見られる。

フィリピン・マニラにある収容施設。日本の特殊詐欺グループ幹部が拘束されている可能性がある建物。フィリピン・マニラにある収容施設。日本の特殊詐欺グループ幹部が拘束されている可能性がある建物。

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ナンバー3幹部との連携とルフィ事件

「JPドラゴン」の存在が広く世間に知られるようになったのは、2024年11月。フィリピンを拠点とした日本人向けの特殊詐欺に関与したとして、警視庁が詐欺容疑で逮捕した人物が、「JPドラゴン」の幹部である小山智広容疑者だった。小山容疑者はその後、窃盗罪で起訴され、今年5月に初公判を迎えている。検察側は小山被告を「かけ子のリーダー」と指摘した。この小山被告は、逮捕前、「ルフィ」グループの指示役の一人とされる今村磨人容疑者(後に強盗致死罪などで起訴)が日本の留置施設に収容されていた時期に、今村容疑者とLINE電話で会話していたと報じられ注目を集めた。本来、留置中の容疑者との通話は制限されるが、この時は、今村容疑者に面会した弁護士が介し実現したと見られている。この接触は、「JPドラゴン」側から「ルフィ」側への口止め工作ではないかとの見立ても取り沙汰された。

事件解明への期待

「JPドラゴン」内部には序列があり、高い順にA、B、Cと呼ばれている。今回拘束された吉岡容疑者がA、先に逮捕・起訴された小山被告はCにあたる。今回のリーダーである吉岡容疑者の拘束は、「JPドラゴン」という組織の全体像や、「ルフィ」グループとの具体的な連携内容、そして60億円を超える被害を出した特殊詐欺事件の全容解明に向けて、重要な手がかりをもたらす可能性がある。今後の捜査の進展が注目される。

フィリピンを拠点とする特殊詐欺グループ「JPドラゴン」のリーダーとされる吉岡竜司容疑者が現地で拘束されたことは、日本の広域強盗・特殊詐欺事件の捜査にとって大きな進展と言える。過去には、JPドラゴンの幹部が「ルフィ」グループの指示役とされる人物と接触していた疑いも報じられており、両グループ間の連携の実態解明が進むことが期待される。今回のリーダー拘束を機に、複雑に絡み合った犯罪ネットワークの全容が明らかになるか、今後の動向が注目される。

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