小泉進次郎氏、農水相就任で米価対策を宣言:「5キロ2000円」は実現するか?

昨年の総選挙後、表舞台から遠ざかっていた小泉進次郎氏(44)が、新たに農林水産大臣として復帰しました。国民の関心が高い米価高騰が続く中、小泉農水相は備蓄米の活用を打ち出し、「5キロ2000円」という具体的な価格を強調しています。しかし、この価格設定と実現性については、専門家からの疑問の声も上がっています。本稿では、小泉氏の農水相就任の背景、前任大臣の辞任経緯、そして彼が掲げる米価対策の詳細について掘り下げていきます。

備蓄米「5キロ2000円」宣言の波紋

小泉農水相は就任早々、メディアに積極的に露出。「政府の新たな随意契約による備蓄米は5キロで2000円。2000円台ではなく2000円、こういった価格で売り渡しをしていきたい」と述べ、現在の流通価格の半額程度での提供を目指す方針を示しました。この明確なワンフレーズは広く報じられましたが、その実現性や市場への影響については議論を呼んでいます。

新農水相に就任し米価対策について語る小泉進次郎氏新農水相に就任し米価対策について語る小泉進次郎氏

前任大臣辞任と官邸の動き

小泉氏の農水相就任は、江藤拓前農水相(64)が「コメは買ったことがない」などの失言の責任を取り、5月21日に辞任したことを受けてのものです。当初、官邸内では江藤氏の留任を図る動きもありました。政治部デスクによると、特に森山裕幹事長(80)は同じ九州出身で農林族の江藤氏を最後まで擁護する姿勢だったといいます。石破茂首相もその意向をむげにはできなかったようです。

国民民主党の強硬姿勢が流れを変える

流れが変わったのは、江藤前大臣が参院農林水産委員会で再び失言を重ねた5月20日午後でした。「宮崎弁的な言い方」といった発言が国民民主党などの反発を招き、5野党による不信任決議案提出が現実味を帯びてきたのです。これにより、同日夕刻には江藤氏の辞任が避けられない状況となりました。

前任大臣辞任の背景に関わる組閣期の石破茂首相前任大臣辞任の背景に関わる組閣期の石破茂首相

「農林族に忖度しない」小泉氏の決意

江藤氏の辞任後、森山幹事長から農水相就任の打診を受けた小泉氏は、その際のやり取りを明らかにしています。「この局面で大事なことは、組織団体に忖度しない判断をすることだと思うが、よろしいですか」と森山氏に問い、JAグループや農林族といった既得権益に縛られず、米価対策に取り組む覚悟を示しました。森山幹事長もこれに同意したとされています。

JA改革の経験と森山幹事長との関係

小泉氏は自民党の農林部会長時代(2016年頃)にJAグループの改革に深く関わった経験があります。このため、農林族の重鎮である森山幹事長との間には、農水行政に対する考え方で以前から隔たりがあることは広く知られていました。今回の就任にあたって改めて「忖度しない」姿勢を確認したことは、彼の強い意志の表れと言えるでしょう。特に、強固な組織基盤を持つJAグループに対して正面から改革を挑んだ過去は、今回の米価対策における彼のスタンスを理解する上で重要です。彼は、誰もが不安に感じているコメの価格高騰と供給不安の解消に全力を挙げるとしています。
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まとめ

小泉進次郎氏の農水相就任は、米価高騰という喫緊の課題に取り組む政府の強い姿勢を示すものです。「5キロ2000円」というキャッチーな価格設定が注目を集める一方で、その実現性や、JAグループを含む農業団体との関係性など、課題も少なくありません。国民の食を支える重要なポストにおいて、小泉氏が自身の掲げた「忖度なき判断」を貫き、実効性のある米価対策を打ち出せるか、今後の手腕が問われます。

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