成田空港に28日、日本のアニメをテーマにしたエリアが新設される。通路の壁面にキャラクターのイラストを展示する「成田アニメロード」と、オリジナルグッズの販売や人気作品のコラボメニューを提供するカフェなどを設置する「成田アニメデッキ」で、海外でも人気の高い日本のアニメの魅力を訪日外国人客にアピールする。27日には発表会が開かれ、「機動戦士ガンダム」の主人公アムロ・レイ役などで知られる声優の古谷徹さんがトークイベントに登場し、「こんなにうれしいことはない」と同作の名言を再現して喜びを語った。
成田アニメロードは、第2ターミナル本館2階の全長60メートルを超える通路の壁面に、アニメのキャラクターが日本の四季それぞれの象徴的な光景とともに描かれている。春は満開の桜を背景に「名探偵コナン」の登場人物のパネルが並び、冬は富士山につかみかかろうとするかのような「進撃の巨人」など、海外でも人気の高い作品が並ぶ。アニメにゆかりの地を観光資源として活用し、訪日客の誘致促進を目指す一般社団法人「アニメツーリズム協会」(富野由悠季=よしゆき=会長)と成田国際空港会社(田村明比古=あきひこ=社長)が設置した。
隣接する成田アニメデッキは、出版大手「KADOKAWA」(松原眞樹社長)のプロデュースによる体験型エンターテインメント施設として、約760平方メートルのスペースにグッズショップ、カフェ、レストランを展開する。人気アニメやゲームのグッズ、同店でしか手に入らないオリジナル商品を販売するほか、カフェではコラボメニューの提供やメイド服姿のスタッフによるおもてなしなど、日本のアニメを通じて旅の思い出づくりができる仕掛けを用意。店内にはステージも併設され、今後は声優によるステージショーなどのイベントも予定している。
発表会で同協会の角川歴彦(つぐひこ)理事長は「ここがアニメツーリズムのひとつのモデルになる。日本のアニメがいかに地域振興に役立つか。そこに挑戦していきたい」と展望を語った。古谷さんは「海外のイベント参加するため年に数回、成田空港から飛び立っている。今後は1、2時間早くここに遊びに来て、いっぱいグッズを買ってしまうのではないか。楽しみにしている」と期待に胸を膨らませた。