東京の「味の素スタジアム」にJUMPコールが響き渡り、Hey! Say! JUMPの7人のメンバーが登場すると、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。高木雄也(35才)の掛け声とともに代表曲『ウイークエンダー』が繰り出され、スクリーンに山田涼介(32才)が大写しになると会場は騒然。これまで中島裕翔(32才)が担当していたパートを伊野尾慧(35才)が歌い上げると、感極まって嗚咽するファンさえ見られた。これは、中島裕翔の突然のグループ脱退から3日後の8月31日、音楽フェス「a-nation 2025」での出来事。約3万人の観客を前に、7人体制で再出発したHey! Say! JUMPが初めてパフォーマンスを披露し、その舞台裏では、彼の“電撃卒業”を巡る複雑な事情が囁かれている。
突如発表された“即日脱退”とその衝撃
中島裕翔がデビューから18年間所属したHey! Say! JUMPを脱退し、俳優活動に専念することを発表したのは8月28日だった。その衝撃は大きく、「本日をもちましてHey! Say! JUMPを卒業させていただきます」という報告と同時の“即日脱退”という異例の展開は、多くのファンとメディアに驚きを与えた。芸能リポーターによると、中島は8月上旬のインスタグラム生配信で、メンバーと「a-nation」の打ち合わせをしたことを明かし、「何の曲をやろうかな」「楽しみだよね」と笑顔で語っていたという。フェス出演が疑いようもない状況であったにもかかわらず、本番3日前の電撃的な脱退はあまりにも唐突であり、わずか数週間の間に何らかの決定的な出来事があったとしか考えられないと報じられている。
メンバーの沈黙が招く憶測:確執の可能性
「a-nation」では11曲が披露され、ステージ中盤にはMCの時間も設けられたが、メンバーから中島に関する言及は一切なく、パフォーマンスは何事もなかったかのように進行した。このメンバーの沈黙は、ファンの間で様々な憶測を呼んだ。中島の脱退について何らかの説明があると考えていたファンからは、「裕翔のことはタブーなんだ」と思い込む声も上がり、中島とメンバー間の確執さえ囁かれる事態となっている。一方で、中島が所属するSTARTO ENTERTAINMENTの声明によれば、グループが20周年に向けて協議を重ねる中で、中島から“個人での活動をしていきたい”という申し出があり、他のメンバーも彼の意向を尊重するという結論に至ったと説明されている。
俳優としての強い意志とアイドル活動への葛藤
中島裕翔は、グループ脱退について、メンバーの優しさに甘えてしまったと謝罪しつつも、「中途半端な思いを残したくなかった」という強い意向を表明している。芸能関係者の話では、彼は以前から単独での俳優活動に重きを置いており、舞台を見に来たファンに対し「物語に集中してほしい」と苦言を呈したこともあったという。一部のファンが、個人の俳優仕事の場でもアイドルとしてステージに立つときと同じ熱量で彼を推すことに、複雑な感情を抱いていたようだ。彼は、いつまでもアイドルとして扱われることへの不満や、俳優としての自己実現との間で限界を感じていたのかもしれないと指摘されている。
Hey! Say! JUMP脱退後、俳優業に専念する中島裕翔
山田涼介との“溝”:センター争いから異なる価値観へ
かつては中島の背中を追っていた盟友、山田涼介との関係も、今回の脱退劇の背景にある可能性が指摘されている。デビュー当初は中島がセンターを務めていたが、セカンドシングル以降は山田にポジションを奪われる形となった。現在でこそ互いを認め合う親友のような関係にあるものの、一時は「お前が嫌いだ」と言い合うほど険悪だった時期もあるという。山田は俳優活動とアイドル業を完璧に両立しているが、中島は「キラキラしたアイドルとしての輝きは芝居では要らない」という考え方を持つ。この二人の間にできた“溝”は、時間とともに大きくなり、同じグループで活動することに息苦しさを覚えていった可能性も否めないと芸能関係者は語っている。
苦渋の決断:フェス直前の脱退劇
8月中もメンバー間で話し合いが続けられる中で、中島は「こんな気持ちでステージに立つことができない」と、フェス直前に脱退の最終決定を下したという。前代未聞の“即日脱退”は、中島にとっても苦渋の決断であったことは想像に難くない。それぞれ別の道を歩むことになったが、退路を断って役者一本に絞るという彼の決意を、ライバルであった山田も応援していると伝えられている。
今回のHey! Say! JUMPからの電撃脱退は、中島裕翔の俳優としての強い意志と、グループ内での様々な葛藤が複雑に絡み合って生まれた結果である。突然の発表と“即日脱退”という異例の形は、ファンに大きな衝撃と憶測を残したが、彼が選んだ俳優の道、そして7人体制で新たなスタートを切ったHey! Say! JUMPの今後の活動が注目される。
参考文献
- 女性セブン2025年9月18日号 (Josei Seven, September 18, 2025 issue)