芸能事務所退所後の活動禁止契約は独禁法違反 公取委見解


 公正取引委員会が、芸能事務所を退所した芸能人の活動を一定期間禁止する契約は独禁法違反に当たるとの見解をまとめたことが27日、分かった。事務所が強い立場を利用した契約は独禁法の「優越的地位の乱用」になり、悪質な場合は行政処分に踏み切る。これまでは一定の範囲では認めていたが、今後は原則禁止する。公取委は業界団体を通じて事務所に周知する。

 芸能活動を不当に制約し、事務所や芸能人の競争を妨げると判断した。契約が見直されれば、芸能人の待遇が改善したり、事務所間での移籍が増えてファンにとって魅力的な作品の製作が進んだりする可能性がある。

 契約では、退所後に数カ月~数年間芸能活動ができない「競業避止義務」と呼ばれる規定を設けるケースが多い。他業界でも営業秘密やノウハウの流出対策で活用されるが、事務所と芸能人の間ではこの規定は必要ないと判断した。公取委関係者は「退所を思いとどまらせるために存在しているだけだ」と指摘した。



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