昨秋の衆院選で議席を急増させ、勢いを増していた国民民主党だが、今夏の参院選を前に支持率が急降下。「山尾ショック」が党勢にブレーキをかけていると指摘されている。
内閣不信任案を巡る党の立ち位置
国民民主党の玉木雄一郎代表は6月3日の記者会見で、国会で焦点となっている内閣不信任決議案について、単独提出が可能な立憲民主党の野田佳彦代表に対し、「政権交代を目指す野田氏として出すべきではないか」と提出を促す発言をした。これは、不信任案提出が石破首相による衆院解散・総選挙につながる可能性が高いことを踏まえ、政局の動きを加速させようとする意図が見える。立憲民主党内では、解散を望む声と、支持率の低迷を懸念し慎重な意見が対立している状況だ。
国民民主党の玉木雄一郎代表が記者会見で発言する様子
過去の躍進と現状の陰り
国民民主党は、昨秋の衆院選で選挙前の7議席から28議席へと議席を4倍に増やし、存在感を高めてきた。今夏の参院選に向けても、東京都議選に候補者を擁立するなど、積極的な姿勢を見せている。党幹部からは、「キャスチングボードを握る」といった強気な発言も出ていた。
支持率急落、「山尾ショック」の正体
しかし、5月末から6月にかけて各メディアが行った世論調査では、国民民主党の支持率が軒並み低下している。特に朝日新聞社の調査(5月17・18日実施)では、党の支持率が4月調査の12%から8%へと4ポイント下落し、中でも女性からの支持率は10%から3%へと急激に落ち込んだ。この状況に対し、ある党幹部は「山尾志桜里氏を公認したことが大きかった。『山尾ショック』だ。これほど厳しい状況になるとは、玉木氏も想定外だっただろう」と語り、参院選候補として山尾氏を公認したことが支持率低下の主要因であるとの見方を示した。
国民民主党の参議院選挙候補者である山尾志桜里氏の顔写真
衆院選での躍進から一転、女性支持率の急激な低下という「山尾ショック」に見舞われた国民民主党。参院選に向け、党勢維持に向けた対応が急務となっている。