細田守監督最新作『果てしなきスカーレット』興行苦戦、異例の「テコ入れ」施策にSNSで賛否両論

細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』が公開4週目を迎え、興行収入5億円を突破したものの、その数字は過去作に比べると期待に届いていない状況です。これを受け、公開5週目から異例の入場者プレゼント施策が開始され、SNS上ではこの「テコ入れ」に対する賛否の声が巻き起こっています。

『果てしなきスカーレット』物語概要と興行収入の現状

本作は、主人公スカーレットが父を処刑した叔父クローディアスへの復讐を誓う物語です。復讐を遂げる前にクローディアスに殺され、死者の国を彷徨うスカーレットが、死者の国にいるはずのクローディアスへの再度の復讐を決意するという展開が描かれています。

公開から4週で興収5億円は一般的には悪くない数字ですが、細田守監督作品としては前作『竜とそばかすの姫』の最終興行収入66億円と比較すると、大幅に下回る結果となっています。この苦戦状況が、今回の新たな施策の背景にあると見られています。

細田守監督作『果てしなきスカーレット』の「テコ入れ施策」として配布される入場者プレゼントのイメージ。SNSでは賛否両論。細田守監督作『果てしなきスカーレット』の「テコ入れ施策」として配布される入場者プレゼントのイメージ。SNSでは賛否両論。

異例の「入場者プレゼント」詳細とファンからの厳しい声

公開5週目となる12月13日(土)より開始される入場者プレゼントは、「全世界での順次公開」と「Dolby Cinema・4DX・SCREENXなど各種ラージフォーマットでの上映開始記念」と銘打たれています。内容は、細田守監督作品の歴代ヒロインが描かれたミニ色紙で、数量限定かつランダム配布という形式です。対象となるのは、『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『未来のミライ』『竜とそばかすの姫』、そして『果てしなきスカーレット』の7作品のヒロインたちです。

この“細田守監督描きおろし”という点に魅力を感じ、特定キャラクターのイラストを求めてリピート鑑賞を検討するファンもいる一方で、SNS上では「今さらすぎる」「最初からつけるべきだった」といった批判的な意見が多数寄せられています。

施策の狙いと今後の展望

ランダム配布の入場者特典は、リピーター獲得に有効な手段として知られています。しかし、本作のコアファンや細田守監督作品を劇場で鑑賞する層の多くは、すでに映画を鑑賞済みである可能性が高いです。そのため、公開から1ヶ月近く経ってからの施策開始には、タイミングへの疑問が呈されています。魅力的な特典であるならば、より効果的なタイミングでの実施が望ましかったでしょう。

今回の異例の「テコ入れ」が、今後の興行収入にどのような影響を与えるのか、そしてSNS上の厳しい声が映画界全体にどのような波紋を広げるのか、引き続き注目されます。


参考文献: