コメの増産へ。小泉進次郎農水大臣は農政転換に着手する方針です。番組は、最新技術を取り入れることで、最少人数で大量生産を実現するコメ農家を取材しました。
■小泉大臣「コメ増産」宣言 農政転換へ
7日、福岡市のディスカウントストアには、朝から大行列ができていました。お目当ては税抜き5キロ1800円の備蓄米。ついに2000円を切り、これまでの最安値です。
備蓄米を購入した人
「2000円以内で買えるというのは懐かしい感じがします」
「女房が喜ぶ顔が浮かぶ。俺じゃなくて女房の喜ぶ顔が見たい」
販売開始からわずか30分で完売となりました。小泉大臣肝煎り(きもいり)の随意契約による備蓄米放出が順調に進むなか、テレビ朝日のインタビューで今後の農業への新たな方針を打ち出しました。
「今よりもコメを2030年に向けて増産をしていきます。今700万トン台ですが、2030年には800万トン超える。こういった水準の目標を立てている」
事実上の“減反政策”をやめ、コメの増産を推進する「農政転換」です。その実現に向け、新たな農業への指針も示しました。
「高齢化して農家の人口も減っているなかで、より効率的に農業を営むだけの『集約化』『大区画化』『新たな技術の投入』これも必要」
実は、こうした“農業改革”をすでに実践している場所があります。
■農地ドーム21個分 わずか3人で運営
7日に番組が訪ねたのは、鳥取市内で画期的なスマート農業を展開する農業法人。早速、田んぼに案内してもらうと…。
トゥリーアンドノーフ 徳本修一代表
「このエリアも、うちが田んぼを集積しているエリア」
農地の面積は、およそ100ヘクタール。東京ドーム21個分の広さです。この広さの田んぼをたった3人で運営しています。
「(Q.利益率はどれくらい)最終利益は30%ぐらいは残るように」
つまりもうかっているということです。その理由はどこにあるのか?最大の特徴が田んぼです。
「うち、田植えは一切しなくて直播(じかまき)なんですけど」
ここでは、苗を水田に植えるのではなく、種のまま「直播」するのだそうです。作業が省力化されるため労働時間の短縮につながるといいます。
「種が入っています」
「(Q.紫色なんですね)特殊なコーティング剤を3つしていまして、どうしても直播でダイレクトにまくと、病気や虫に負けやすいので殺虫剤・殺菌剤。あと水の中でも発芽率が安定するように酸素剤を塗ってあります」
種まき機にも特徴があります。
「GPSとリンクしているので自動操舵(そうだ)といって、直進とかは手放しでできる。大型の機械を1台1台使って、3人で100ヘクタールをこなす」
効率化は他にも…。