6月5日、任天堂から8年ぶりとなる新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」(以下、Switch 2)が発売されました。多くのゲームファンが待ち望んでいたSwitch 2の販売に際し、任天堂は公式通販サイトや大手家電量販店で厳格な事前抽選を行うなど、可能な限り多くの正規ユーザーに製品が行き渡るよう配慮しました。さらに、フリマサイトでの不正な出品を防止するため、主要なフリマアプリ運営会社3社と協力体制を敷くという異例の転売対策も発表されていました。
しかし、Switch 2の発売日を迎えると、大手フリマサイトである「メルカリ」や「ラクマ」などに、早速大量のSwitch 2本体が出品される事態が発生しました。
発売開始とともに大量発生した高額転売問題
国内専用版の希望小売価格は4万9980円ですが、フリマサイトに出品された本体の価格は、発売当日から6万円台から8万円台と、定価を大きく上回る価格が中心でした。中には、10万円を超える価格設定の出品も見受けられ、こうした高額転売に対して、インターネット上では多くの批判の声が上がっています。
発売されたばかりの任天堂 新型ゲーム機 Nintendo Switch 2 のイメージ写真
SNSで拡散された特に悪質な「写真だけ詐欺」出品
高額転売が問題視される中、あるX(旧Twitter)ユーザーが投稿した悪質な転売事例への注意喚起が大きな話題となりました。このユーザーは《話題のSwitch2転売ですが、これはすごい悪質だ… 実際の商品の“写真“を送りつけるなんて… フリマアプリでの購入には注意してください》と投稿し、問題の出品画面の画像を添えました。
投稿された画像には、「Nintendo Switch 2(日本語・国内専用)」と記載された商品名と、6万5000円という価格が表示されています。商品説明欄には「コンビニ払い不可」「返品不可」といった、転売品でよく見られる定型文が並んでいました。一見すると一般的な高額転売の出品に見えます。
しかし、商品説明の末尾に小さく《素敵な写真を発送いたします》という一文が加えられていたのです。これは、購入者が6万5000円を支払っても、実際に届くのはSwitch 2本体ではなく、本体の箱の「写真だけ」であるという、非常に悪質な詐欺まがいの手口です。
フリマサイトに出品された、Nintendo Switch 2 の箱の『写真のみ』を販売する悪質な出品画面
詐欺まがい出品の手口と広がり
高額転売にとどまらず、商品そのものを送らないというこの悪質な手口に対し、X上では《これは酷いですね。悪意に満ちていて騙す気満々》《ネットリテラシーのある人なら引っかからないとは思うけど、可愛い孫のためにやっとの思いで買ったお年寄りがいたとしたら気の毒でならない》《普通に犯罪ですよ》といった批判コメントが殺到しました。
IT系ライターによると、このXユーザーの投稿をきっかけに、コメント欄には他の出品者による同様の悪質な出品情報も多数寄せられたといいます。「写真だけ発送するもの」のほか、「本体ではなくソフトだけを発送する」といった、巧妙に誤認を誘う出品も横行しているとのことです。これらの悪質出品は、ぱっと見では正規の出品との区別がつきにくい上に、値段設定も5万5000円など、相場よりやや安く設定されているケースが多いようです。そのため、すでに「売り切れ」となっているものも多く、気づかずに取引してしまった人が少なくない可能性があると指摘されています。
現在、発端となった特定の悪質出品は削除されているようですが、こうした詐欺まがいの手口を使った出品は、今後も形を変えて出現する可能性が考えられます。
まとめと注意喚起
任天堂の新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」の発売は多くの注目を集めていますが、同時にフリマサイト上での高額転売や、さらには本体の「写真のみ」を送るという悪質な詐欺出品が問題となっています。任天堂やフリマサイト運営会社も対策を講じていますが、巧妙な手口で消費者を騙そうとする出品者が後を絶ちません。
フリマサイトや個人間取引プラットフォームで「Nintendo Switch 2」の購入を検討される際は、出品価格だけでなく、商品説明文を隅々まで入念に確認することが非常に重要です。特に、極端に安い価格や、「返品不可」「写真のみ」「ソフトのみ」といった不審な記載がないかを十分に注意してください。詐欺被害に遭わないためにも、公式な販売ルートからの購入を第一に検討し、フリマサイトを利用する際は細心の注意を払うよう強く推奨します。