大泉洋(52)が主演を務め、宮崎あおい(39)がその妻役を演じるテレビ朝日系火曜ドラマ『ちょっとだけエスパー』(夜9時〜)の第5話が11月18日に放送され、物語が中盤に差し掛かる中で次々と描かれる不穏な描写が、視聴者の間で大きな話題を呼んでいます。SFラブコメとして始まったこのドラマは、その裏に隠されたミステリアスでシリアスな展開により、多くの視聴者を戦々恐々とさせています。
ドラマ「ちょっとだけエスパー」の概要と予想外の展開
本作は、会社を解雇されたサラリーマン・文太(大泉洋)が謎の会社「ノナマーレ」に再就職し、そこで服用した薬によって「触れた相手の心の声が聞こえる」エスパーに覚醒するという物語です。文太が世界を救うかもしれないという完全オリジナルのSFラブロマンスとして描かれています。宮崎あおい演じる四季は、過去の事故で夫を失ったショックから心を病み、文太を“本当の夫”だと信じ込む複雑な役どころを演じています。
脚本を手掛けるのは、映画『ラストマイル』(2024年)や連続ドラマ『MIU404』(TBS系/20年7月期)など、社会派作品で知られる人気脚本家・野木亜紀子氏(51)です。野木氏は初回放送前の取材で、「社会派作品ばかりだと疲れるし、ちょっと楽しいことをやりたいなと思って」とコメントしており、ドラマのタイトルにある「ちょっとだけ」というワードや、「花咲か系」「レンチン系」といったコミカルなエスパー能力名からも、当初は軽妙な作風が強調されていました。
しかし、テレビ業界では放送前から「野木さんなら何か仕込んでいるはず」という声が多く、その予感は的中しました。ドラマの予想外の展開に、多くの関係者が注目しています。
テレビ朝日系ドラマ『ちょっとだけエスパー』で主演を務める大泉洋
第2話で早くも提示された「不穏」の予兆
『ちょっとだけエスパー』では、第2話の時点で既に物語の不穏な側面が垣間見えていました。途中まではドタバタ喜劇のような展開が描かれていたものの、ラストシーンでは「みんなで助けたはずの男が、その直後に人知れず事故死していた」という衝撃的な結末が描かれました。この出来事から、視聴者の間では作品に潜む暗い影に対する予感が広がり始め、単なるコミカルなSFドラマではないと認識され始めました。第5話の放送により、その不穏な空気はさらに加速することとなりました。
第5話で加速する謎と対立構造
11月18日に放送された第5話では、文太たちにエスパー能力を与えたノナマーレの社長・兆(岡田将生/36)が、意味不明に思えた“ミッション”を指示してきた真意がついに明かされました。兆の目的は、10年後に発生するとされる「1万人が命を落とす大惨事」を阻止すること。エスパーたちに指令を与えることで未来に変化を生じさせようとしていることを、文太だけに打ち明けました。「ちょっとだけ」のエスパー能力ではあるものの、「使命が“ちょっとだけ”とは言ってません」という言葉に、文太は重い責任を突きつけられます。
ところが、この第5話で、大学生・市松(北村匠海/28)らが率いる別勢力「Young3」がエスパーたちのミッションを妨害します。しかも市松は、文太たちのミッションが実行されれば「1000万人が死ぬ」と主張。兆は自分たちを「ヒーロー」、それを邪魔する勢力を「ヴィラン(悪)」と表現していましたが、その善悪の構図すら疑わしいものとなってきました。
視聴者の考察と今後の展開への期待
この急展開を受け、視聴者の間では、本作が単純な勧善懲悪では終わらないのではないかという考察が深まっています。もしかすると、避けられない大惨事が存在し、その中で主人公・文太が究極の選択を迫られることになるのではないかという見方も浮上しています。社会派作品で定評のある野木亜紀子氏の真骨頂が発揮されつつある「ちょっとだけエスパー」は、今後の物語の行方にますます目が離せません。視聴者は、文太がどのような運命に直面し、世界の危機にどう立ち向かうのか、その結末に大きな期待を寄せています。





