「パイスラお姉さん」「引っかかっちゃった」などのバズ動画で知られるTikTokerでありグラビアアイドルのなな茶。TikTokでのブレイクから雑誌グラビア、写真集、そして事務所設立へと駆け上がった彼女は、現在フォロワー数360万人を誇る。その成功の裏には、綿密な分析と試行錯誤があった。動画制作の秘訣とこれからの展望を聞いた。(前後編の後編)
なな茶さんのプロフィール写真。TikTokフォロワー360万人を誇るグラビアアイドル。
TikTokへの道のり
TikTokを始めたきっかけは、もともと利用していたVineというサービスが終了してしまったことです。高校生になってからTikTokを始めました。最初は顔だけの動画ばかりで、胸は出していませんでしたが、それでもフォロワーは10万人を超えていました。しかし、ある時水着動画を出してみたところ、一気に再生回数が伸び、「アイドル活動にもプラスになるかもしれない」と思い、本格的に取り組むようになりました。
水着への葛藤と飛躍
最初は体にコンプレックスがあったため、水着姿を見せることには抵抗がありました。しかし、セクシーな衣装でコラボライブに出演した際、グループ内で一番売れていなかった私にもファンがついてくれたのです。それが自信となり、その後ナイトプールで撮影した動画がわずか数時間で100万再生を達成し、そこからはほぼ毎日バズるようになりました。
綿密な分析と戦略
バズを生み出すために、毎日どのようにすれば再生回数が伸びるかを徹底的に考えていました。投稿する最適な時間帯、目を引く説明文の工夫、動画冒頭1秒の構成など、全てを計算していました。30分おきに投稿し、最も伸びる時間帯を検証したこともあります。連休と再生回数の関連性などもデータとして記録していました。
「引っかかっちゃった」の意図
話題になった「引っかかっちゃった」の動画にも意図がありました。「なぜこんな場面で胸が揺れるのだろう?」と視聴者に思わせたかったのです。家の中ではなく、外で何かに引っかかって揺れるという状況は非日常的です。さらに、中目黒らしき場所を選んだり、背景に自転車を映し込んで「後ろの自転車は何色?」といったコメントを誘発する工夫もしました。コメントが多いほど再生回数も伸びるからです。
バズによる生活の変化
まさにTikTokドリームを掴んだと言えます。「パイスラお姉さん」の動画がバズった後、『ヤングジャンプ』さんからお声がけいただき、23歳でアルバイトを辞めることができました。
収入の変化
インフルエンサーとして本格的に活動することを決意した最初の1〜2ヶ月は収入がゼロで、貯金を切り崩しながら生活していました。しかし、3ヶ月目には16万円の仕事を受けることができるようになり、当時の私にとっては十分に余裕を感じられる金額でした。
TikTokでの圧倒的な成功は、単なる偶然や外見だけでなく、なな茶さん自身の徹底した分析と戦略、そして試行錯誤の結果であることが明らかになった。コンプレックスを乗り越え、データに基づいた計画的な投稿を続けたことが、現在の地位と安定した収入へと繋がったと言える。