今田美桜(28)が主演を務めるNHK連続テレビ小説『あんぱん』に、人気ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系、2024年1月期)で共演した阿部サダヲ(55)、河合優実(24)、中島歩(36)の3人が出演しており、「ふてほど俳優」たちの再共演として注目を集めている。
中園ミホ氏が脚本を手掛ける朝ドラ『あんぱん』は、『アンパンマン』の生みの親である漫画家・やなせたかしさんと、その妻・小松暢さん夫妻をモデルにした物語だ。今田が暢さんをモデルにしたヒロイン・朝田のぶを演じ、やなせさんをモデルにした柳井嵩役を北村匠海(27)が務めている。阿部サダヲは訳ありのパン職人「ヤムおじさん」こと屋村草吉として、河合優実はいのぶの妹・蘭子として序盤から出演。中島歩は、のぶの結婚相手で船の一等機関士である若松次郎として、第8週(5月19日~23日)から登場し、現在は航海に出ているという設定だ。
NHK連続テレビ小説「あんぱん」で再共演した阿部サダヲ、河合優実、中島歩。ドラマ「不適切にもほどがある!」でも共演した3人の姿。
一方、阿部サダヲが主演を務めたドラマ『不適切にもほどがある!』は、昭和61年(1986年)に生きる教師・小川市郎(阿部)がひょんなことから令和の時代へタイムトラベルし、現代との価値観の違いに戸惑いながら学ぶ姿を描いたコメディ作品だ。同作で河合優実は、市郎の娘である不良少女・純子を好演し、一気に知名度を高めた。中島歩は市郎の同僚教師・安森役で出演していた。ちなみに、『不適切にもほどがある!』は2026年春に続編となるスペシャルドラマの放送が決定している。
『あんぱん』の放送開始前、阿部サダヲと河合優実の出演が発表された時点で、「ふてほど親子の再共演だ!」とファンの間で大きな話題となった。そこに中島歩も加わったことで、『不適切にもほどがある!』ファンはさらに盛り上がっているという。実は、『あんぱん』における阿部と河合の共演は、『不適切にもほどがある!』の放送よりも先に決定していたことが、公式インタビューで明らかになっている。阿部サダヲは『あんぱん』の倉崎憲チーフプロデューサーからの熱烈なオファーを受け、河合優実はオーディションによって出演が決まったとのことだ。
2024年5月21日に配信された『スポニチアネックス』のインタビューで、倉崎チーフプロデューサーは、自身が担当し阿部が出演した大河ドラマ『平清盛』(2011年)を経て、「いつか自分が朝ドラの企画ができるのであれば、阿部さんに出ていただきたい」と強く感じていたと語っている。2019年の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で再会したことでその思いはさらに強まり、『あんぱん』で「ラブコール」を送ったという経緯が明かされた。また、同インタビューでは、2023年12月に行われた『あんぱん』のヒロインオーディションで、河合優実の演技を見て「良い意味で“バケモノ”に出会った」と感じ、蘭子役でのオファーを決めたことも明かされている。
『不適切にもほどがある!』で強烈な印象を残した3人の俳優が、今度は朝ドラ『あんぱん』で再集結したことは、ドラマファンにとって嬉しいサプライズとなった。それぞれの役柄は異なるが、確かな演技力を持つ彼らが物語にどのように深みを与えていくのか、今後の展開に期待が集まっている。