伊東市長 田久保眞紀氏の学歴詐称問題:二度目の不信任決議案提出と政治的終焉への道

静岡県伊東市議会は10月30日、学歴詐称問題に揺れる田久保眞紀市長に対する不信任決議案の再提出を決定しました。初回可決後の議会解散という異例の展開を経て、二度目となる今回、可決されれば市長の辞職は避けられません。伊東市民を混乱させた田久保市長の一連の行動は「田久保劇場」と称され、その終幕が間近に迫っています。

伊東市長の田久保眞紀氏。学歴詐称問題により不信任決議案が提出された状況で、今後の動向が注目される。伊東市長の田久保眞紀氏。学歴詐称問題により不信任決議案が提出された状況で、今後の動向が注目される。

「田久保劇場」の幕開け:学歴詐称疑惑の浮上

事の発端は6月上旬、市議らのもとに届いた怪文書でした。「東洋大学卒とは何だ。中退どころか除籍であった」との記載により、田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑が公に浮上。市長は当初、「証拠に基づかない怪文書には対応しない」と主張していました。

東洋大学による除籍事実の確認と新たな問題

その後、伊東市議会が東洋大学へ事実確認を行った結果、市長が大学を「卒業」ではなく「除籍」されていたことが判明しました。市長自身は選挙中に卒業を公表していなかったため公職選挙法違反には該当しませんでしたが、6月の市議会で市長が議長・副議長に「卒業を証明するもの」を提示していた点が問題視され、私文書偽造の可能性が指摘されました。

百条委員会と市長の抵抗

事態を重く見た伊東市議会は、地方自治法に基づく百条委員会を設置し、市長に対し疑惑に関する説明と証拠の提出を求めました。しかし、市長は卒業証書の提出を二度にわたり拒否し、さらには証人尋問としての出頭要請も拒否。ようやく8月13日に姿を見せた際も、学歴詐称そのものは改めて否定し、以前「チラ見せ」と報じられた「卒業を証明するもの」については、「19.2秒ほど見ていただいた」と報道内容を否定するに留まりました。

一度目の不信任決議案と異例の議会解散

議論が進まない中、伊東市議会は田久保市長に対する不信任決議案を提出し、全会一致で可決しました。通常、不信任案が可決された場合、市長は「辞職」か「議会の解散」のいずれかを選択しますが、市長が選んだのは後者でした。これにより約6000万円の公費を投じて市議会議員選挙が再び行われ、結果は新たに選出された20人の議員中、19人が反市長派となるというものでした。

二度目の不信任決議案:避けられない辞職の選択肢

この再選挙の結果、再び不信任決議案が提出されれば可決は確実視されていました。一度目は議会解散で回避できましたが、二度目の不信任決議案が可決された場合、市長に残された選択肢は「辞職」のみとなります。自身の保身に走り、説明責任を避けてきた田久保市長の「田久保劇場」は、今、政治的終焉を迎えることになります。

結論

伊東市長・田久保眞紀氏に対する二度目の不信任決議案提出は、学歴詐称問題に端を発する長期にわたる政治混乱の帰結を示しています。度重なる市長の抵抗と議会解散という異例の対応は、市民に大きな負担と不信感を与えました。最終的に市長は辞職を余儀なくされる見通しであり、これは地方自治における説明責任と透明性の重要性を改めて浮き彫りにする事例となるでしょう。

参考資料

  • 地方自治法関連情報
  • 伊東市議会公式発表
  • 各種メディア報道