新農水相、小泉進次郎氏による政府備蓄米の随意契約放出が始まり、注目を集めている。昨年の約2倍となった米価格高騰や都市部の品不足感に直面する消費者はこれに殺到。この動きの背景には、消費者行動の時間感覚と米流通の時間感覚のズレが需給バランスを崩した結果と言える。
小泉農水相の「セクシーな」迅速対応
低迷を続ける石破政権を尻目に、新農水相、小泉進次郎氏は、この問題にスピード感をもって対応を見せた。前任大臣が「米は自分で買ったことがない」と発言し事実上の更迭に至った経緯もあり、その手腕が際立っている。政府備蓄米放出のための随意契約という形での導入は、彼らしいスマートでスピーディーな対応として評価されている。
政府備蓄米のイメージ：価格高騰と品不足の中での供給
世論とメディアの反応：「古米」から「ヴィンテージ米」へ
世間では「古米、古古米」といった言葉が先行しややネガティブな印象もあったが、コンビニのローソンが「ヴィンテージ米」という“お洒落な”ネーミングを編み出すなど、小売側の工夫も見られる。多くのニュース番組や新聞記事では競うようにして「食べてみた」検証が行われ、品質への関心が高まった。野党政治家による「1年後には家畜の飼料になるような米」との発言も、かえって日本の食糧供給体制や品質への国民の関心を高める要因となった。
消費者殺到が浮き彫りにする需給のズレ
いよいよ「5kg約2000円備蓄米」(以下、進次郎米)が小売店頭やネット販売に並び始めると、昨年同期比約2倍という記録的な米価格高騰と都市部における謎の品不足感にストレスを感じていた多くの消費者が殺到した。筆者自身も仕事で入手する必要が生じ試みたが、人気すぎて全く手に入らず、アクセス集中や抽選落ちに振り回され続け、その人気の高さを肌で感じた。この一連の社会現象は、単なる価格や供給量の問題だけでなく、消費者行動の時間感覚と米流通の時間感覚のズレによって需給バランスが崩れたことで生まれた本質的な課題と言える。
このように、政府備蓄米放出は、米価格高騰や品不足の中、政治と消費者の関係性やコミュニケーションのあり方を浮き彫りにした。小泉農水相の素早い随意契約導入と問題提起は、複雑な問題を分かりやすく示し、解決への道筋を示したと言えるだろう。
