英紙タイムズなどは10日、英政府がイスラエルのベングビール国家治安相、スモトリッチ財務相に制裁を科す方針だと報じた。両氏はそれぞれ極右政党を率いるパレスチナ強硬派で、過激な発言を繰り返している。英紙テレグラフは、イスラエルを擁護するトランプ米政権と「決別」する動きだと伝えた。
ベングビール氏とスモトリッチ氏は、パレスチナ自治区ガザ地区からのパレスチナ人の追放を主張し、ガザへの人道支援にも反対している。ラミー英外相は5月に議会で、スモトリッチ氏の発言を「忌まわしい」などと非難していた。
報道によると、両氏は英国への入国が禁止され、英国の金融機関との取引もできなくなるという。
英仏とカナダの3カ国首脳は5月19日、イスラエルに対し、大規模な地上侵攻の即時停止と支援物資の搬入拡大を求める共同声明を発表。状況が改善しなければ「具体的な行動を取る」と警告した。
英国は5月20日、イスラエルとの自由貿易協定(FTA)の更新交渉を停止していた。【ロンドン福永方人】