6月8日、オンラインカジノ賭博の容疑で略式起訴されていた吉本興業所属の複数の芸人が、活動復帰を発表しました。この問題は、1月末の事件発覚から約半年間にわたり彼らの活動を休止させる事態となっていました。
2025年4月3日には、単純賭博罪の容疑で「ダイタク」の吉本大さん、「9番街レトロ」のなかむら★しゅんさん、「プリズンクイズチャンネル」の最強の庄田さんと竜大さん、「ダンビラムーチョ」の大原優一さん、「ネイチャーバーガー」の笹本はやてさんの計6人が書類送検されていました。
彼らは6月2日に単純賭博罪で罰金10万円の略式命令を受け、全員が罰金を納付したと見られています。これにより、約半年の自粛期間を経て、復帰の道が開かれました。
しかし、この自粛期間中にコンビ解散という決断に至ったケースもあります。「ネイチャーバーガー」の笹本はやてさんは、6月10日に自身のX(旧Twitter)を更新し、活動復帰と同時にコンビの解散を発表しました。「私自身が自粛期間を通して、この決断に至り、相方にはその旨を伝え飲んでもらう形になりました」と報告しています。笹本さん自身は芸人を続ける意向ですが、相方の三浦リョースケさんは自身のXで自身の立場を「リストラ」と自虐的に綴っており、解散を巡る複雑な心境がうかがえます。
一方、対照的に自粛期間が極めて短く、さらに事務所からの契約解除という結果になった芸人もいます。人気コンビ、令和ロマンの高比良くるまさんは、4月28日に自身のYouTubeチャンネルを更新し、活動復帰を報告しました。しかし同時に、吉本興業とのマネジメント契約が解除されたことも発表し、多くのファンを驚かせました。
これは双方合意の上での契約解除とされていますが、原因は吉本興業の許可を得ずに2月15日にYouTubeで活動休止を発表する動画を配信したことだと、くるまさん自身が明かしています。「会社との信頼関係が壊れてしまった」と告げられたとのことです。相方の松井ケムリさんは吉本興業に残っており、令和ロマンとしてのコンビ活動自体は継続されています。
M-1グランプリ2連覇という実績を持ち、絶大な人気を誇る令和ロマンだけに、高比良くるまさんの契約解除という結末に、いまだに納得できないファンは多数存在します。今回、他のオンラインカジノに関与した芸人たちが続々と復帰している状況に対し、複雑な思いを抱えるファンがXに様々な投稿をしています。
「オンラインカジノ問題、続々とみんな復帰していく中で、なんでくるまだけダメだったのかほんとに解せない。素直に、他の芸人さんたちに、復帰おめでとうよかったねって思えない自分が嫌だ」といった困惑の声や、「オンラインカジノで罰金刑をくらったダイタク大が劇場復帰する。起訴されなかった令和ロマンくるまは勝手に謝罪会見をしたことで解雇された。つまり罪の重さはどうでもよくて、事務所の言いなりにならん者は切る会社なのだな。」と事務所の対応への不信感を綴る意見、「こうなるなら、くるまを退所させた意味が分からん」といった疑問の声が見られます。(芸能記者談)
令和ロマンの高比良くるま(左)と松井ケムリ(右)
高比良くるまさんはすでにピン芸人としてレギュラー番組への復帰も果たしており、今後はフリーの立場で活動を続けると見られています。しかし、人気コンビの中心メンバーであった彼が、相方と所属事務所を異にする形で活動することになった点は、ファンの間で複雑な感情を引き起こしているようです。
「結局、実績のある人気芸人であるくるまさんが契約解除という結果に終わった騒動でした。ただ、くるまさんも自分たちのYouTubeチャンネルの撮影のために、ゲストパスを付けて吉本東京本社に出入りしたりしているというので、“完全出禁”というわけでもない。意外とほとぼりが冷めたら再契約なんてこともあるのかもしれません」(前出・芸能記者談)
吉本興業は今回のオンラインカジノ問題を受け、5月22日に発表した「オンラインカジノ問題に関するご報告」という文書の中で、《違法賭博を行った事実が判明した場合は厳正に処分する方針》と改めて明言しています。今回の件を経て、次に同様の問題を起こした芸人に対しては、より一層厳しい、一発アウトといった処分が下される可能性が高いと考えられます。芸人たちにとっては、今後の行動に最大限の注意が求められる状況が続くと言えるでしょう。