「写真、いいですか?」と声を弾ませる若い男性2人の視線の先にいたのは、「学歴詐称問題」で世間を騒がせた伊東市前市長・田久保真紀氏(55)だった。
11月22~23日に伊東市で開かれた「伊豆コーヒーフェス」。全国の名店が集結し、コーヒー文化で地域のにぎわい創出を狙った大規模イベントだ。その会場に、田久保氏の姿があった。
田久保氏といえば、就任後に市の広報誌へ掲載された「東洋大学卒業」の経歴が虚偽だったと判明。不信任決議が2度可決されて10月31日に失職したものの、12月14日投開票の市長選に出直し出馬すると表明している。イベントはその表明直後のものだった。来場者のひとりが語る。
「事前にインスタグラムでコーヒーの店舗が19店出店すると紹介されていて、その中に『???』とだけ書かれたシークレット枠があったんです。
気になって店先でしばらく待っていたら、田久保さんが現われた。次々と求められる写真撮影にも積極的に応じ、自分でカップにコーヒーを注ぎながら、購入者と談笑していました」
店頭では「グレープ」と「ローズ」の香りが引き立つ2種類のコーヒーが1杯900円、豆売りだと50グラム1000円で販売され、メニューには「田久保まきオリジナルブレンド」と書かれていた。
「無所属で戦う出直し市長選に向け、地元イベントに参加して交流を重ね、自らの存在をアピールする狙いがあったのではないか」(地元紙記者)と見る向きもある。
それで失った信頼を取り戻せるのだろうか。
※週刊ポスト2025年12月12日号





