元タレントの中居正広氏(52)を取り巻く状況が新たな局面を迎えています。フジテレビの第三者委員会が、中居氏の代理人弁護士との今後のやり取りについて「差し控えさせていただくことといたします」と表明したためです。これは、第三者委員会が調査報告書で認定した「性暴力」という表現に対し、中居氏側が繰り返し異論を唱えていた中で出された判断であり、注目が集まっています。
中居氏はこれまでに計3度、第三者委員会による「性暴力」との表記に異議を申し立てていました。一方で、第三者委員会の竹内朗委員長らは、中居氏側が求めた「本調査報告書に関わる証拠等の開示」について、開示を拒否する姿勢を崩しませんでした。
「やり取りを差し控えさせていただく」と表明したフジテレビ第三者委員会との関係が注目される中居正広氏
第三者委員会側は、証拠等の開示を拒否した理由として、「貴職ら(中居氏側)との一連のやり取りが、被害者に二次被害を与える危険性があることを懸念しており、貴職らにもその観点からのご配慮をお願いいたしたく存じます」と説明しました。そして、「当委員会は、今後の貴職らとのやり取りを差し控えさせていただくことといたします」と結論付け、事実上の交渉打ち切りを通告した形です。
スポーツ紙記者は、この決定について「中居氏サイドは『性暴力』と認定するに至った証拠の開示を求めていたが、第三者委員会は『独立性を担保できない』としてこれを拒否してきた。この先もこの方針は変わらないだろう。堂々巡りになるのは目に見えており、早い段階でやり取りを打ち切ったのだろう」と分析しています。
第三者委員会の判断に賛否、橋下氏が厳しく指弾
インターネット上では、第三者委員会の判断を支持する声が見られる一方で、真相究明を求める意見も少なくありません。また、被害女性Aさんに対する誹謗中傷が増加している状況もあり、今回の第三者委員会による“交渉打ち切り”が、事態の収拾をさらに困難にする危険性も指摘されています。
元大阪市長で弁護士の橋下徹氏は6月3日、自身のX(旧ツイッター)でこの問題に言及し、「第三者委員会制度は死んだ」と厳しく断罪しました。さらに、「証拠の開示もなく、ある人間の行為を性暴力認定するなど、検察組織や裁判所でもやらない。フジ第三者委員会は何様だ?」と、委員会による証拠不開示での性暴力認定というプロセスに対し、強い疑問を投げかけています。
中居氏の想定外 事態打開への「奇策」は?
中居氏にとっても、第三者委員会がこれほど早い段階で事実上の交渉打ち切りを宣言したことは、想定外だったとみられます。今後の対応、次の一手をどう打つかが難しい局面です。しかし、こうした状況を打開するための思わぬ「奇策」がある可能性を、ある法曹関係者は示唆しています。
その「奇策」とは、中居氏自身による第三者委員会の立ち上げです。法曹関係者によると、「橋下弁護士が言うように、フジの第三者委員会は最終決定権者ではない。そもそもフジテレビの要請に基づいて立ち上がった委員会であり、客観性・中立性には十分配慮しているはずだが、それでもこれだけ賛否両論が出ている。ならば、中居氏自身が、フジの第三者委員会が公平・中立に調査したかを検証するための『別の第三者委員会』を立ち上げるという方法がある」と語ります。この方法であれば、被害女性との守秘義務には抵触せず、調査を開始すれば少なくともイーブンな状況を作り出せる可能性があるとのことです。
ただし、この「奇策」を実行する上で立ちはだかるのが費用の問題です。フジテレビが設置した第三者委員会のメンバーは著名な弁護士が多く、「その多くが時給数十万クラス」(同・法曹関係者)と言われています。調査期間は約2ヵ月に及び、第三者委員会の人的コストはゆうに億を超える規模だったとされています。
高額な費用と名誉回復への思い
一個人が億単位に及ぶ費用を支払うことは通常不可能ですが、資金が豊富と見られる中居氏であれば、「やれないことはない」という見方があります。一説には「資産100億円」とも言われているためです。テレビ局関係者は、「彼は芸能界への復帰を第一に考えているわけではなく、ただただ自身の名誉を回復したいと強く願っている。引退後はそこに注力するつもりと聞いているから、『中居版第三者委員会』は検討に値する選択肢だと思う」と話しています。
そこで、中居氏の代理人を務める『東京丸の内法律事務所』に対し、「フジの第三者委員会が公正公平だったか検証するため、何らかの手段を講じるのか?」との質問状を送りましたが、期限までに回答は得られませんでした。
中居氏が自ら立ち上げる場合、自身の息がかかった専門家をメンバーに含めることは当然できません。しかし、フジテレビ側の委員会とは全く別の顔ぶれによる第三者委員会の検証結果は、現在の混乱した状況に一石を投じ、事態収拾の一助となる可能性も秘めています。中居氏が今後、どのような次の一手を講じるのか、注目が集まっています。