東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの高橋渉社長が、パークチケット価格見直しに言及し、「年間パスポート」(年パス)の復活にも含みを持たせたことで、ネット上で賛否両論が巻き起こっている。この発言は、多くのファンにとって大きな関心事だ。
オリエンタルランド新社長、価格戦略に言及
今年4月就任の高橋社長は初の報道対応で、物価高騰を踏まえつつ「単なる値上げではなく、季節ごとの券種導入など、多様な価格設定を検討」と述べた。
特に注目は、2020年7月廃止の年パスについて。「熱心なファンにどう来てもらうかも考える」と述べ、年パス復活の可能性を示唆した。
現在の価格体系とレジャーの高額化
現在、東京ディズニーリゾートは混雑に応じた「変動価格制」を採用し、大人チケットは7900円〜1万900円の6段階(2021年本格導入、混雑緩和狙い)。
開園時3900円だった1デーパスポートは段階的に値上がりし、変動制で現在の価格帯に。さらに、有料のディズニー・プレミアアクセス(DPA)や有料観覧エリア導入で、一度の訪問で2万円かかるとも言われ、地方からの訪問者には高額なレジャーとなっている。
多くの人が東京ディズニーランドのゲートに向かう様子
年パス復活への反対意見
こうした中、年パス復活に反対の声がSNSを中心に多く見られる。その主な理由として、まず現在のシステム(DPA等)は初心者には複雑で、情報戦に慣れたマニア層が有利になりがちな現状がある。年パス導入は、この傾向をさらに強める懸念だ。
次に、年パス利用者はパーク内での飲食やグッズ購入が少ない一方、遠方からの初心者や一見さんは売上貢献が大きい。オリエンタルランドとしては、売上の高い層を重視すべきとの意見がある。
さらに、年パスがあった時代にはマナー問題や「オタク同士のバトル」などトラブルが多発した。年パス廃止後はパークの雰囲気が改善され、「治安がよくなった」という声も多い。
現在の東京ディズニーリゾートは平日も混雑しており、すでに高い入園料を払っている他のゲストとの公平性や、特定の層を優遇する必要性はないとの指摘も強い。
高橋社長の年パス復活示唆発言は大きな波紋を広げている。現在の高価格帯や混雑、複雑なシステムを背景に、年パス復活には根強い反対意見が存在することが明らかになった。オリエンタルランドが今後、多様な価格設定や「熱心なファン」への対応をどう具体化していくか、引き続き注目される。