米国のドナルド・トランプ大統領は、イスラエルがイランの核関連施設や軍事拠点を標的として実施した一連の空爆作戦について、事前に計画を把握していたことを米FOXニュースに対し語った。トランプ氏はまた、イランが「核爆弾を持つことは許されない」と改めて強調し、核問題に関する交渉への期待を示唆した。中東の緊張が高まる中、イスラエルによる今回の攻撃と、それに対する米国の立場が注目されている。
イスラエルによる広範な空爆作戦
イスラエル国防軍は今月13日、イラン国内の約100か所に及ぶ標的に対する大規模な空爆を実施したと発表した。これらの標的には、イランの核開発に関連する施設や、軍事的な重要拠点が含まれているとされる。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、特にイラン中部にあるナタンツの核施設を標的とした作戦を実行したことを明らかにした。
イスラエル空爆後のイラン・ナタンツ核施設付近での爆発の煙
一方、イランの国営メディアは、今回のイスラエルによる攻撃により、イラン革命防衛隊(IRGC)のホセイン・サラミ司令官と、イラン軍のモハンマド・バゲリ参謀総長という二人の主要な軍事指導者が死亡したと報じている。これらの死者は、イスラエルが攻撃した軍事拠点に関連するものである可能性が指摘されている。
米トランプ政権の対応と立場
FOXニュースの報道によると、ドナルド・トランプ米大統領は、イスラエルが実施したこの空爆作戦について、事前にその計画を知らされていたことを認めた。同大統領は「イランが核兵器を保有することは決して許されない」と改めて述べ、「我々は交渉のテーブルに戻ることを望んでいる。今後の成り行きを見守ろう」と語った。
さらにトランプ氏は、もしイランがイスラエルの攻撃に対して報復措置に出た場合、米国は自国と同盟国であるイスラエルを守るための準備ができていると述べ、イラン側を牽制した。
FOXニュースはまた、トランプ政権が今回のイスラエルによるイラン攻撃について、事前に少なくとも一つの中東地域の同盟国に対し、その計画を伝達していたと報じた。しかし、米国政府は今回の攻撃自体には直接関与していないという立場を強く打ち出している。マルコ・ルビオ国務長官は12日の声明で、米国は「イランに対する攻撃には関与しておらず、我々の最優先事項は中東地域における米軍の安全確保である」と明言した。ルビオ国務長官は加えて、「明確にしておくが、イランは米国の利益や要員を標的にすべきではない」と警告を発した。
今後の展望
今回のイスラエルによるイラン核施設・軍事拠点への空爆は、中東地域の不安定な情勢をさらに悪化させる可能性がある。イランが軍事指導者の死に対する報復を検討する中、米国とイスラエルは連携してイランの核兵器開発を阻止する姿勢を明確にしている。今後のイランの反応と、それに対する米国およびイスラエルの対応が、地域の平和と安定にとって極めて重要な焦点となる。
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