マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染した猫を治療した三重県内の獣医師の高齢男性が死亡していたことが、県獣医師会などへの取材でわかった。動物病院で業務中に感染したとみられる。
死亡した獣医師は5月、飼い主が連れて来た猫の治療にあたり、その後、呼吸困難を訴えて病院に搬送された。下痢や発熱などの症状があり、検査の結果、感染が判明、数日後に死亡したという。マダニにかまれた形跡はなかった。
厚生労働省によると、国内では2012年のSFTSによる死亡例が13年に確認され、16年にはSFTSを発症したとみられる猫にかまれた50歳代の女性が死亡した。
国立健康危機管理研究機構のまとめでは、SFTSの患者は24年に全国で計120人(暫定値)に上っている。