自民党参院選総括文書に「責任の所在」欠如、田崎史郎氏が指摘

政治ジャーナリストの田崎史郎氏が4日、BS11「報道ライブ インサイドOUT」にて、自民党の参院選総括文書について言及。田崎氏は、文書が敗因を分析しつつも、「責任の所在」が不明確な点を強く批判した。

参院選惨敗の分析と田崎氏の疑問

7月の参議院選挙で大敗を喫した自民党の総括文書は、「石破内閣の支持率低迷」「政治とカネの問題」「物価高対策としての給付金政策」「若年層・保守層の支持離反」を主な敗因として挙げた。しかし、田崎氏は「敗因は分析されているが、誰が決定し、なぜ決定が遅れたのかが触れられていない」と指摘。特に給付金政策の決定が選挙直前の6月13日だったことについて、「石破総理、森山裕幹事長、小野寺五典政調会長が決めたにもかかわらず、その遅延理由が明記されていないのは物足りない」と率直な不満を述べた。この総括を受け、森山幹事長以下の党四役は辞意を表明するに至った。

参院選総括と責任の所在が問われる中での石破茂首相参院選総括と責任の所在が問われる中での石破茂首相

森山幹事長による総括委員会の限界

田崎氏はさらに、今回の参院選総括委員会の委員長を森山裕幹事長自身が務めていた事実を挙げ、「当事者が自身に厳しい内容を文書に盛り込むことは構造的に困難だっただろう」と分析。総括文書の客観性とその実効性に対し、疑問を投げかけた。

過去の衆院選「裏金問題」との類似点

昨秋の衆議院選挙でも、自公与党が過半数割れに陥り、その大きな敗因の一つとして、裏金事件で非公認候補の政党支部に党から2000万円が支給されたことが判明した点があった。しかし、この衆院選に関しては、今回のような詳細な総括文書は作成されていない。今回の総括発表の場でも裏金問題への質問があった際、森山幹事長が「手続きに瑕疵はない」と答弁したことは、一部の議員から「木で鼻をくくったような答弁だ」と不満を買ったと田崎氏は伝えている。

求められる透明性と信頼回復への道

田崎史郎氏の分析は、自民党の参院選総括文書が「責任の所在」を曖昧にし、真の課題解決を避けている現状を浮き彫りにした。政治不信が深まる中、政策決定の遅延や「政治とカネ」の問題に対し、透明性ある説明と明確な責任明示こそが、有権者の政治への信頼回復に繋がる第一歩となるだろう。自民党がこの批判を真摯に受け止め、実効性のある改革へと繋げられるか、今後の動向が注視される。

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