インド西部で旅客機墜落、死者260人超か

インド西部アーメダバードで12日に発生した旅客機墜落事故で、運航会社エア・インディアは13日、乗客・乗員242人のうち241人死亡、1人生存と発表しました。一方、主要紙は地上にいた医科大生ら少なくとも5人も死亡、死者総数は260人超に上ると報じました。多数の負傷者も出ている模様です。

インド西部アーメダバードの地図 - 旅客機墜落事故現場インド西部アーメダバードの地図 – 旅客機墜落事故現場

墜落現場と証言

事故翌日の13日午後、記者は事故機が直撃した医科大学の学生寮周辺へ入りました。焼け焦げた臭いが漂い、6階建て寮の壁は黒くすすけ、周囲の木々も焼け焦げていました。寮生は疲れきった様子で荷物を運び出していました。墜落時、寮内にいた教員男性(42)は「炎が見え、3階踊り場から飛び降りました。多くの友人を失い憤りを感じます」と語りました。

インド西部アーメダバードの医科大学学生寮、旅客機墜落で黒く焼け焦げた壁インド西部アーメダバードの医科大学学生寮、旅客機墜落で黒く焼け焦げた壁

犠牲となった家族、遺族の悲しみ

地元病院には、遺体の身元確認のため多くの遺族が集まりました。ムンバイから来たシェイクさん(49)は、弟一家4人を事故で亡くしました。ロンドン在住の一家は、直行便満席のためアーメダバード経由を選んだといいます。シェイクさんは「炎上映像を見て絶望した。病院では警察に遺体を見ない方がいいと言われた。心臓病の母にはまだ伝えられていません」と悲痛な表情でした。

インド西部アーメダバードの旅客機墜落現場に残る焼け焦げた機体の残骸インド西部アーメダバードの旅客機墜落現場に残る焼け焦げた機体の残骸

事故原因調査進む

インド航空当局によると、旅客機は離陸直後に緊急事態発生を伝えましたが、約30秒後に墜落しました。民放は13日、飛行データ記録の「ブラックボックス」が回収されたと報じました。事故調査当局が解析を進めるとみられます。

この事故は多数の犠牲者を出しました。現在、ブラックボックス解析を中心に、事故原因の詳しい調査が続けられています。