大阪ファストフード店乱闘、山口組幹部ら9人逮捕 シノギ巡るトラブルか

今年2月、大阪市内のファストフード店で特定抗争指定暴力団・山口組の組員らが関与した乱闘騒ぎが発生し、これまでに計9人が傷害や殺人未遂の容疑で逮捕されました。事件の舞台となったのは、子供連れを含む一般客も利用する夕食時の店内でした。その後の捜査関係者への取材によると、この騒ぎは暴力団の「シノギ」(資金獲得活動)を巡る話し合いが決裂し、暴力沙汰に発展した結果起きたとみられています。

事件の概要と逮捕者

大阪府警は5月、この乱闘に関与したとして、傷害容疑で山口組系幹部の李昌芳容疑者(55)=韓国籍=や、同じ組幹部の丁永剛容疑者(50)=中国籍=を含む48歳から57歳の男7人を逮捕したと発表しました。

また同月、府警はこれら7人に対する殺人未遂容疑で、住居不定で不動産業の梁人彰容疑者(61)=韓国籍=とその弟、喜博容疑者(56)=同=を逮捕したことも明らかにしました。

李容疑者ら7人の逮捕容疑は、2月10日午後4時半ごろ、大阪市内のファストフード店およびその駐車場で、梁容疑者の顔を複数回殴るなどして軽傷を負わせたこととされています。

一方、梁容疑者と喜博容疑者の逮捕容疑は、同じ駐車場で男7人に向かって車を複数回急発進させ、李容疑者に衝突させて軽傷を負わせたというものです。府警は逮捕された9人全員の認否を明らかにしていません。

現場での衝突と「シノギ」背景

互いが容疑者であると同時に被害者側でもあるという複雑な構図となったこの事件の背景には何があったのでしょうか。捜査関係者の話によると、事件発生直前、多くの一般客がいるファストフード店内で、李容疑者、丁容疑者、そして梁容疑者の3人が「シノギ」に関する話し合いを行っていました。

しかし、この話し合いは平行線をたどり決裂。その結果、丁容疑者が梁容疑者を羽交い締めにし、李容疑者が梁容疑者の顔面を殴りつけるという暴行に発展しました。

事態はエスカレートし、李容疑者と丁容疑者は配下の組員らを集め、場所を駐車場の移して梁容疑者への暴行を続けました。これに対抗する形で、近くで待機していた梁容疑者の弟、喜博容疑者が自身が運転する車で組員らの集団に向かって急発進を繰り返したとされています。

捜査の進展と市民への影響

大阪府警は6月12日、事件に関連する場所として、岐阜県安八町にある組事務所に対し家宅捜索を実施しました。府警は今回の事件の詳細な経緯や「シノギ」を巡るトラブルの内容について、さらに捜査を進めています。

大阪府警による、岐阜県安八町の組事務所への家宅捜索の様子大阪府警による、岐阜県安八町の組事務所への家宅捜索の様子

事件が発生した場所は、店内に加え駐車場にも子供を含む一般市民が多数存在していました。ある捜査幹部は今回の事件について、「一歩間違えれば、無関係の一般市民にも危害が及んでいた可能性がある。このような市民の安全を脅かす暴力団の行為は断じて許すことができない」と強く非難し、引き続き厳正な姿勢で臨むことを強調しました。

参照元

https://news.yahoo.co.jp/articles/c1c5148845c093bc47f6f778223d7ad35fdf6050