イスラエル・イラン衝突激化:イランが大規模報復空爆、米軍はイスラエル防衛に介入

中東地域におけるイスラエルとイランの間の緊張が、報復攻撃の応酬により一気に激化しています。イスラエルによるイラン国内の軍事・核関連施設への攻撃に対し、イランは13日午後から14日未明にかけて、イスラエル本土へ向けて大規模なミサイル攻撃を敢行しました。これを受け、イスラエル防衛のため、米国は自国の軍事資産を動員し、イランからのミサイル迎撃作戦を支援したことを明らかにしています。この前例のないイランによる大規模報復攻撃は、両国間の長年の対立を新たな段階へと引き上げる可能性を秘めています。

イランによる「大規模報復」攻撃の詳細

イランによるイスラエルへの攻撃は、13日午後から開始され、翌14日未明にかけて数波にわたり続けられました。イスラエル軍は、イラン本土から発射された100発以上の弾道ミサイルや多数の無人機(ドローン)を迎撃したと発表しました。イラン最高指導者ハメネイ師は、今回の行動はイスラエルの攻撃に対する正当な報復であると主張しています。

イランによる報復攻撃で破壊されたイスラエルのテルアビブ市内の建物イランによる報復攻撃で破壊されたイスラエルのテルアビブ市内の建物

イスラエルの攻撃とイラン側の被害

これに先立ち、イスラエル軍は13日未明にイラン全域の核関連施設や軍司令部を攻撃したとされ、さらに同日午後には戦闘機による追撃を行い、イランの空軍基地やミサイル発射台などを標的としました。イスラエル軍は14日未明までに、首都テヘラン周辺の防空網を含む数十カ所を攻撃したことを明らかにしています。ロイター通信は、テヘランのメヘラーバード空港の戦闘機格納庫も標的になったと報じました。イランのイラバニ国連大使は、イスラエルの攻撃により軍幹部を含む78人が死亡、320人が負傷したと発表しています。

イスラエルの今後の対応と国際社会の動き

イランによる大規模報復を受け、イスラエルのネタニヤフ首相は、イランが民間人密集地域を攻撃し「レッドライン」を超えたとして、さらなる報復攻撃を示唆。「今後さらに多くの攻撃があるだろう」と警告しました。

この事態を受け、米国はイスラエル防衛のため、弾道ミサイル迎撃を支援するとともに、地上・海上の軍事資産を動員したと発表しました。

欧州主要国も事態の鎮静化に向け動き出し、英国、フランス、ドイツの首脳が協議。フランスのマクロン大統領は状況に応じたイスラエル防衛作戦への参加を示唆しました。ロシアのプーチン大統領は両国首脳と電話会談し、仲介に乗り出す意向を示しました。

国連安全保障理事会では緊急会合が開かれ、イラン大使がイスラエルの攻撃を非難する一方、イスラエル大使は自国の安全保障を主張し、激しい応酬が繰り広げられました。

今後の見通し

今回の直接的な軍事衝突は、長らく影の戦争を続けてきたイスラエルとイランの関係を新たな局面へと突入させました。地域の安定は一層損なわれ、国際社会はこれ以上のエスカレーションを回避するための外交努力を続けています。今後の両国の動向、そして米国の関与が、中東情勢の行方を左右することになります。

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