巨人ヘッドコーチなどを務めた元木大介氏が14日放送のラジオ番組に出演し、3日に肺炎で死去した巨人軍終身名誉監督、長嶋茂雄氏への追悼の意を表した。元木氏は、長嶋氏から受けた数々の指導や深い思い出について語った。
長嶋監督からの9シーズンにわたる指導
元木氏は1990年にドラフト1位で巨人に入団。1993年に監督に復帰した長嶋氏のもとで、現役時代の9シーズンにわたり指導を受けた。「よく試合で使ってもらったし思い出もたくさんある」と当時を振り返る。
ラジオ番組で長嶋茂雄氏との思い出を語る元木大介氏
「ベンチを盛り上げてくれ」異例の呼び出し
特に印象深いエピソードとして、あるシーズンの開幕前の出来事を挙げた。元木氏と清原和博氏が長嶋監督の監督室に呼び出されたという。「“今シーズン頼むぞ、お前ら2人で盛り上げてくれよ”と言われて」。自身はレギュラーではなかったため、「俺?」と驚いたというが、監督付きのマネージャーを通じてその真意を知った。「やっぱりベンチが盛り上げて明るくやらなきゃいけないんだ。あの2人がチームを盛り上げてくれるぜ」という長嶋氏の考えだったと明かし、「本当にそうやってかわいがってもらった」と語った。通常、松井秀喜氏や高橋由伸氏のような主力選手が担う役割を、元木氏と清原氏に期待した監督の視点に感銘を受けた様子だった。
体調を崩した後も変わらぬ愛情
長嶋氏が体調を崩し、車椅子で球場に来場した際に挨拶に行った際にも、長嶋氏は「ニコッとしてくれる。“元気か、頑張ってるか?”」と、いつも温かい言葉をかけてくれたという。元木氏は、そこからも長嶋氏の変わらぬ愛情を感じていたと述べた。
「第2の親父」と慕った深い絆
元木氏は、長嶋氏を「自分だけの勝手な思いで人に言ったことはないですけど、第2の親父じゃないかな」というほど深く慕っていたと語った。野球だけでなく、自宅に呼ばれるなど私生活でも世話になったと明かし、長嶋氏との間の強固な絆を強調した。
2000年、結婚披露宴での元木大介氏と妻の大神いずみ氏
元木大介氏は、長嶋茂雄氏への尽きない感謝と深い愛情を胸に、その死を悼んだ。日本野球界の偉大な指導者であり、「第2の父」と慕った長嶋氏へ、「本当に残念ですがゆっくり休んでほしいなと思う」と追悼の言葉を述べた。