【テヘラン=吉形祐司、カイロ=田尾茂樹】イスラエル軍は14日、イランの石油やガスなどのエネルギー関連施設を攻撃した。昨年4月以降のイラン攻撃でエネルギー施設が標的となったのは初めて。イラン軍もイスラエル中部テルアビブなどへの攻撃を続けた。3日目に入った攻撃の応酬は激しさを増し、戦火は拡大の一途をたどっている。
13日に始まった交戦での死者は、イラン国外の人権団体によると、イラン側で200人超に、イスラエル政府によると、イスラエル側で13人に上る。
イランのタスニム通信などによると、首都テヘランの石油備蓄施設2か所が攻撃を受けて炎上した。ペルシャ湾にある世界最大のガス田・南パルス天然ガス田の精製施設も無人機で攻撃され、操業が一時停止した。南部ブシェール州の精製施設も攻撃で火災が起きた。
15日未明にかけ、住宅地に隣接した軍施設なども爆撃された。国防省にも攻撃があり、建物の一部が破壊された。イスラエル軍は14日、イラン治安組織の「司令官20人以上を殺害した」と発表し、15日も核施設などへの攻撃を続けている。
一方、イランも14日から15日未明にかけ、テルアビブのほかエルサレムや北部ハイファなどを攻撃した。
イスラエル公共放送カンによると、テルアビブ近郊バトヤムではミサイル攻撃で14階建ての建物が崩れ、6人が死亡したほか、20人近くが行方不明となった。
イラン精鋭軍事組織「革命防衛隊」の声明によると、イスラエルの戦闘機の燃料補給基地などを攻撃した。また、イエメンの反政府勢力フーシは15日、「イラン軍の作戦に同調した攻撃」を始めたと明らかにし、テルアビブをミサイルで攻撃したと主張した。