米国 トランプ政権が、国家安全保障上の懸念から、エジプト、ガーナ、タンザニアなど36カ国を米国への入国制限の対象に追加することを検討していることが分かった。ロイターが確認した国務省内部の公電で明らかになった。
トランプ大統領とルビオ国務長官が写る。入国制限など米国の外交政策や国家安全保障に関する協議の様子。
米国務省の公電が示す今後の措置
ルビオ国務長官が署名したこの公電は、「60日以内に規定や要件を満たさない場合、全面または部分的な入国禁止を推奨する可能性がある」と述べており、将来的な入国禁止措置の可能性を示唆している。トランプ大統領は既に、国家安全保障上の懸念を理由とした12カ国からの入国禁止措置を今月9日に発効させている。
入国制限検討の背景と対象国
36カ国の入国制限が検討される理由として、公電は一部の国における信頼できる身分証明書の作成能力の欠如や、米国政府への非協力的な姿勢を指摘している。さらに、発行されるパスポート(旅券)の「安全性に疑問がある」とも言及している。
具体的な問題点として、米国から国外退去命令を受けた自国民の退去促進に協力的ではない国、米国滞在ビザの期限切れ後に不法滞在を許容している国などが挙げられている。また、米国内でテロ行為に関与した国民がいる、反ユダヤ主義的または反米的な活動をする懸念がある国民がいることも理由に含まれる。ただし、こうした懸念が全ての対象国に当てはまるわけではない、と注記されている。国務省高官は、「私たちは米国人の安全を確保し、外国人がわが国の法律に従うよう政策の再検討を続けている」とコメントしたが、内部審議の内容への言及は避けた。
対象となる36カ国は以下の通りである。アンゴラ、アンティグア・バーブーダ、ベナン、ブータン、ブルキナファソ、カボベルデ、カンボジア、カメルーン、コートジボワール、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、ジブチ、ドミニカ、エチオピア、エジプト、ガボン、ガンビア、ガーナ、キルギス、リベリア、マラウイ、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、サントメ・プリンシペ、セネガル、南スーダン、シリア、タンザニア、トンガ、ツバル、ウガンダ、バヌアツ、ザンビア、ジンバブエ。
今回の検討は、トランプ政権の厳格な移民・国境管理政策の一環であり、対象国との外交関係や国際的な移動に影響を与える可能性がある。今後60日間の各国の対応が注目される。
[Source link] (ニュース提供:ロイター)