人気マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』(作:尾田栄一郎)は、物語の中に膨大な数の謎や伏線が散りばめられており、その一部はコミックスの質問コーナー「SBS」などで少しずつ明かされてきました。しかし、本編で回収されることなく残されている伏線も数多く存在します。特に、かつて「王下七武海」として活躍した人気キャラクターたちを取り巻く謎は多く、ファンは今後の展開に注目しています。これらの伏線は、今後本編で描かれるのでしょうか。
クロコダイルの「女性説」とイワンコフの弱み
長年にわたりファンの間で「元女性だったのではないか?」と囁かれているキャラクターが、バギーやミホークと共に闇組織「クロスギルド」の一員となった「サー・クロコダイル」です。この説の根拠としては、いくつかの作中描写が挙げられています。
最も注目されているのは、対象者の性別を自在に変えることができる「ホルホルの実」の能力者である「エンポリオ・イワンコフ」が、コミックス55巻第540話で発言した「コイツ(クロコダイル)の『弱み』を一つ握ってる…!!!」というセリフです。イワンコフの能力であれば、女性を男性に変えることも技術的には可能です。
さらに、コミックス93巻第938話のサブタイトルが「女の秘密」であり、その回の扉絵にクロコダイルが描かれていたことや、コミックス63巻のSBSで描かれたクロコダイルの幼少期の姿が中性的な容姿をしていたことも、この説を裏付ける傍証とされています。しかし、クロコダイルはその後も本編にたびたび登場しているものの、イワンコフが握る「弱み」の具体的な内容は一向に明かされていません。
サー・クロコダイルのフィギュア。彼の過去にまつわる謎がファンの間で議論されている。
エドワード・ウィーブルの正体と血縁関係
自らを「白ひげJr.」と名乗る「エドワード・ウィーブル」の正体も、多くのファンが関心を寄せる伏線のひとつです。コミックス106巻第1072話では、ウィーブルの母親であり、自称「白ひげの愛人」でもある「バッキン」こと「ミス・バッキンガム・ステューシー」が、かつて白ひげと同じく「ロックス海賊団」に所属していたメンバーであったことが明らかになりました。
また、「エッグヘッド編」では、バッキンの「複製人間(クローン)」であるサイファーポール「ステューシー」が登場しています。これらの情報から、一部のファンの間では、「ウィーブルも白ひげのクローンとして生み出されたのではないか?」という推測も生まれています。そのウィーブルは、続く第1073話で海軍大将の「緑牛」に連行されてしまいました。
ウィーブルが連行される際、バッキンは白ひげとウィーブルの間に血縁関係があることを証明できる人物として、「『Dr.ベガパンク』だ!!!」と意味深な発言を残しています。ウィーブルが再登場した時、この血縁関係や正体に関する伏線は回収されるのか、そのタイミングが待たれます。
ミホークの意外な過去「海兵狩り」
「世界最強の剣士」として知られる「ジュラキュール・ミホーク」に関しては、かつて彼が「海兵狩り」であったという衝撃的な事実が判明し、ファンの間に驚きをもたらしました。コミックス108巻のSBSにおいて、作者の尾田先生は「ミホークは海兵を恨む様な過去と、大きな裏切りにあってきた人なんです。(中略)もう人生に疲れちゃってるトコあります」とコメントしており、ミホークが抱える深刻な過去を示唆しています。具体的にどのような過去があったのかは非常に気になるところですが、これが今後本編で詳細に語られるかは現時点では不明です。
これらの長年続く謎が、物語が完結した後に本編とは別の形で明かされる可能性も否定できませんが、多くのファンはやはり本編の中でこれらの伏線が回収されることを強く望んでいるでしょう。今後の物語の展開が注目されます。
また、現在海賊島「ハチノス」に囚われている元七武海の「ゲッコー・モリア」が今後どうなるのか、そして「トラファルガー・ロー」が無事なのかなど、元王下七武海メンバーたちの動向は、依然として多くの読者が気にかけているポイントです。