イスラエル、「イラン最高指導者暗殺」計画 米報道 トランプ氏が阻止か

ロイター通信など複数の米メディアは15日、イスラエルがイラン最高指導者暗殺計画を具体的に策定していたとする驚くべき報道を伝えた。この計画は、当時のドナルド・トランプ米大統領の反対により実行されなかったという。米政府高官の話として報じられている。中東情勢を巡る米、イスラエル、イランの関係の複雑さを示す出来事として注目される。

計画の詳細と報道の背景

報道によると、イスラエルはこの暗殺計画を「明確な計画」として準備しており、具体的な実行機会も週末に存在したとされる。この情報は、匿名を条件とした米政府高官によってロイター通信などに提供されたものだ。計画の標的は、イラン・イスラム共和国の最高指導者であるアリ・ハメネイ師だったとされる。

イラン最高指導者のアリ・ハメネイ師イラン最高指導者のアリ・ハメネイ師

トランプ氏の反対と理由

イスラエルから計画が伝えられた際、トランプ大統領(当時)は強く反対の姿勢を示したという。その背景には、イスラエルによるイラン最高指導者の暗殺という行為が、中東地域での大規模な紛争拡大、さらには制御不能なエスカレーションを招くことへの強い懸念があったとみられている。トランプ政権はイランに対して強硬な姿勢を取っていたものの、直接的な指導者暗殺は一線を越える行為であり、地域全体の不安定化につながると判断したようだ。

イスラエル首相の反応

今回の報道に対し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は同日、米FOXニュースの番組に出演した際に質問を受けたが、暗殺計画について直接的な言及を避けるにとどまった。首相は「我々は必要なことをする。これからもやるべきことをやる」と述べ、イスラエルの安全保障のために必要な措置は講じるという従来の立場を強調しつつも、過去の特定の計画について詳細を明かすことはなかった。

結論

今回の米メディアによる報道は、イスラエルがかつてイランの最高指導者暗殺という大胆な計画を検討していた可能性、そしてそれが当時の米大統領の介入によって見送られたという出来事を明らかにした。これは、イスラエルとイランの間の根深い対立構造と、その背後にある主要国(特に米国)の複雑な戦略的判断の一端を示すものといえる。報道内容の正確性を含め、この一件が今後の米・イスラエル・イラン関係にどのような影響を与えるか、引き続き注視が必要である。

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