元参議院議員で「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者が、元兵庫県議の竹内英明氏に関する虚偽情報を拡散した名誉毀損の疑いで逮捕されて以来、事件は新たな局面を迎えています。逮捕当初、自身の発言に「真実相当性がある」として罪を争う姿勢を見せていた立花容疑者ですが、突如として弁護方針を転換し、示談を申し入れる意向を表明。しかし、被害者遺族である竹内氏の妻はこれを断固拒否しており、厳罰を求めています。この abrupt な方針変更の背景には、ある法改正の可能性も指摘されており、世間の注目を集めています。
元県議・竹内英明氏に関するデマと立花容疑者の逮捕
11月17日、神戸地方検察庁の門をくぐったのは、今年1月に自死した元兵庫県議・竹内英明氏の妻でした。彼女は検事に対し、「立花容疑者には厳罰を下してほしい」と強く訴え、被害者遺族としての切なる思いを伝えました。立花孝志容疑者は11月9日、竹内氏に関するデマを拡散した名誉毀損の容疑で逮捕されました。逮捕直後、立花容疑者は発言や配信内容が事実ではないことを認めつつも、「ニュースソースから聞いたことで、真実相当性がある」と主張し、罪には当たらないとの見解を示していました。
街頭演説を行う立花孝志容疑者
弁護方針の突然の変更と遺族の示談拒否
しかし、逮捕からわずか数日後の11月14日、事態は急展開を見せます。立花容疑者の弁護人である石丸幸人弁護士が自身のYouTubeチャンネルで、「真実相当性は争わないという弁護方針をとることになった。法律的には自白です」と発表。容疑を認め、謝罪した上でご遺族に示談を申し入れる方針を表明しました。本人もこの方針に納得していると伝えられました。
これに対し、竹内氏の妻は「示談は絶対に受けません」と即座に拒否の姿勢を示しています。彼女は、夫が県議を辞職し「SNSに負けた」「もう何もできない」と打ちひしがれている最中に、立花容疑者が自宅にまで押しかけるかのようなYouTube配信などでデマを拡散し続けたと説明。「夫は絶望する中で命を絶ちました。だから、絶対に示談はしません」と、検事にもその決意を伝えたといいます。
弁護士が憤慨する示談のタイミングと「弁当切り」改正法の可能性
竹内氏の妻の刑事告訴を担当した郷原信郎弁護士もまた、立花容疑者側の示談申し入れに対して強い憤慨を表明しています。郷原弁護士は、「1年も前から竹内さんに対する誹謗中傷を続けていたにもかかわらず、何度も謝罪や撤回をする機会があったはずだ。それが逮捕されて数日で『示談します、謝罪します』というのは、厳罰から逃れたいだけだと誰でも思う」と厳しく批判。天国の竹内氏も妻も怒りしかないだろうと述べました。
立花容疑者が急に名誉毀損を認め、示談へと方針を転換した背景には、弁護士の助言に加え、「弁当切り」に関する法改正が関係しているのではないかという見方も浮上しています。一般社団法人「刑事司法未来」代表理事で龍谷大学法学部名誉教授の石塚伸一氏は、この法改正が立花容疑者の判断に影響を与えた可能性を指摘しています。
結論
立花孝志容疑者の名誉毀損事件は、容疑者側の突然の弁護方針転換と、被害者遺族の示談拒否により、複雑な様相を呈しています。竹内氏の妻の「厳罰」を求める強い意志と、弁護士が指摘する示談申し入れのタイミングの問題は、この事件が単なる法的責任に留まらない、深い倫理的、社会的な責任を問うものであることを示唆しています。今後の司法の判断と、「弁当切り」改正法がこの事件に与える影響が注目されます。





