「お前を殺してわしも死んでやる」15歳上の兄が突然、包丁を持ち出して…実家で30年以上“引きこもる”無職の兄を描いた人気漫画家(47)の“複雑な家庭環境”


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 そんな兄のことを描いた宮川さんの最新作『 名前のない病気 』(小学館)が話題になっている。長男はなぜ引きこもりになってしまったのか。家族は引きこもりの長男と、どのように接してきたのか。どうして長男のことを漫画にしようと思ったのか。宮川さんに話を聞いた。(全2回の1回目/ 2回目に続く )

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「あとから振り返ると普通じゃなかった」子ども時代の家庭環境

宮川サトシさん(以下、宮川) 岐阜の田舎の方の出身で。両親と兄が2人いるんですが、長男は15歳上、次男は7歳上なのでちょっと年齢が離れているんですよ。それ以外は、僕としては普通の家庭だと思っていたんですけど。

 貧しい生活でもなく、何かが足りないということもなく、塾も行かせてもらっていましたし、不満はなかったです。

 ただ一点だけ、友達が遊びに来たときに、長男が大声で親と揉めていたりなんかして、それが恥ずかしかったし、あとから振り返ると普通じゃなかったなと。

――ご両親はどんな方でしたか?

宮川 母親は自分よりも家のことを大事にしている人で、たくさん愛情を注いでくれましたね。父親も子どもをほったらかしにするわけではなく、可愛がってくれて。

 ただ、僕は3番目の子どもなので、父親も年を取っていてだんだんだるくなってきているというか、サンタクロースのプレゼントも雑だったり(笑)。それでもちゃんとお父さんをやってくれていたなと思います。

「日常的に大声で叫んだり、物を壊したり…」15歳上の長男はどんな人だったのか

宮川 年が離れているので子どもの時は僕にとってヒーローといいますか、いつも付いて回っていました。聴く音楽も、漫画なんかの文化的教育も彼の影響をかなり受けていて、あの人がいなかったら僕は漫画を描いてなかったと思います。

――宮川さんはこれまで家族のエッセイ漫画をたくさん描いてきたと思いますが、15歳上の長男さんのことは一度も描いたことがなかったそうですね。子ども時代の宮川さんにとって、長男さんはどういう人だったのでしょう。

宮川 「家に変な人がいる」という感じだったんですよ。日常的に大声で叫んだり、物を壊したりする面倒臭い奴がいるというか。一番古い記憶だと小学1、2年生のときですけど、夜中に目を覚ますと長男が包丁を持って立っていることがよくあって。



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