東京の歓楽街・吉原――そこではどんな人々が、どんな理由で働いているのか。かつて同地の店舗でスタッフを務めた男性への取材をもとに、ライター花田庚彦氏が新刊『 台東区 裏の歩き方 』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目/ 続きを読む )
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愛人契約を結ぶ嬢も…驚くべき収入事情
まずは、ソープ嬢の収入について。MAXでどのくらい稼ぎがあるのだろうか。
「大衆店や格安店でも、指名のランカーになっている嬢は、月収で3ケタ稼ぐ人はザラにいます。高級店になると、600万円なんて人がいるって聞きましたね」
高級店の客はやはり、金の使い方がすごいらしい。
「高級店のお客さんって、かなりの金持ちが多いじゃないですか。だから、客というよりもパトロンみたいになってる人もいる。馴染みの嬢が『ちょっと1カ月ぐらい休みたい』って言ったら、『じゃあその間、月収と同じだけお金あげるよ!』なんて言い出して、数百万円をポンと渡しちゃって、嬢はバカンスに行ったり……って例もあるらしいです」
金持ちの客と愛人契約を結んだ嬢の話も、聞いたことがあるという。
「軟禁状態みたいな暮らしをしていたそうですが、それでも『一生分のお金が稼げた!』なんて、数年して契約が終わったあとに言ってたとか。まあ、そういう極端な例はともかくとしても、裕福な方と繋がりができるってだけで、いろいろメリットはあるでしょうね。高級店には、稼ぎが多いって以外にも夢があるってことだと思います」
だが、当然ながら誰もが夢を掴めるわけではない。W氏はこう話す。
「やりたくてやってる仕事じゃない」
「羽振りのいい嬢もいる一方で、毎月1人ぐらい、ホテルから飛び降りちゃったりとか、首吊りだとかで死んでますよ。手首がリスカ痕だらけなんて子も少なくないですし。やっぱり、ほとんどの子にとっては、やりたくてやってる仕事じゃないですしね」
吉原ドリームとも言うべき巨額の富を手に入れる嬢がいる一方で、過酷な環境に追い詰められてしまう嬢もいるということだろうか。
給料20万円→100万円に増額するケースも…ナゾの歓楽街・吉原で働く「男性スタッフたちの“夢のある”給料事情」 へ続く
花田 庚彦/Webオリジナル(外部転載)






