三浦市長選での自民、公明両党が推す現職の敗北は一夜明けた16日、中央政界へも波紋を広げた。同市は政府備蓄米の放出などコメ高騰対策で注目を浴びる自民の小泉進次郎農相(衆院神奈川11区)のお膝元。東京都議選のさなか、“小泉頼み”に早くも暗雲が垂れ込めた形で、与党内にはその先の参院選も見据え「相当厳しい風が吹いている」との危機感が漂い始めている。
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「多選批判が大きかった。『5期20年』への批判は根強かった」。小泉氏は横浜市中区で神奈川新聞社の取材に応じ、6選を目指した自民県連推薦の現職吉田英男氏の敗因について淡々とこう答えた。
自公政権への逆風や批判が影響したかと問われると、「そう思う人がいたことも事実かもしれない」としつつ、今回の結果は「地域の首長選挙は国政の状況と単純に連動するわけではない」と強調。同じく地盤とし、22日に投開票される横須賀市長選や、夏の参院選については「これは全く別」とし、影響が出ることに否定的な考えを示した。
自民幹部は「主たる敗因は多選批判」としながらも「盤石とされる小泉さんの地元ですら自民への逆風が強まっている。無党派層の多い都市部での苦戦は必至。都議選も参院選も相当な踏ん張りが必要だ」と懸念を隠さない。
神奈川新聞社