ドラマ「VIVANT」(TBS系)続編の2026年放送が発表された。もともと3部作として構想されていたという作品の第2弾がようやく始まることになる。
2023年に放送された「VIVANT」は、ドラマ史に残る大ヒット作となった。堺雅人が演じる乃木憂助が、自衛隊の非公式組織「別班」のメンバーとして、世界中で破壊行為を繰り返すテロ組織「テント」のリーダーを追うという物語だった。続編発表は大きな話題になり、SNSなどでも喜びの声があふれている。
「VIVANT」がなぜそこまで大ヒットを記録したのかといえば、日本のテレビドラマの常識を覆すような要素がたくさんあり、それが視聴者を魅了したからだ。成功の理由は大きく分けて3つある。
■制作費が桁違い
1つ目は、制作費が桁違いに大きかったことだ。地上波ドラマの予算は1話あたり3000万円程度が目安といわれている中で、「VIVANT」では1話あたり1億円という高額の制作費が投じられた。中央アジアの架空の国「バルカ共和国」のシーンを撮影するために、モンゴルで約2カ月半の海外ロケを敢行したという。
実際に外国で撮影を行ったことで、このうえなくリアリティのある映像を撮ることができた。派手なアクションシーンも多く、まるで映画のようなスケール感を出すことに成功していた。
「VIVANT」が放送されたのは2023年の7〜9月。この年の5月には新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行し、それまで長く続いたコロナ禍がようやく収束したムードがあった。コロナ期間中に海外への渡航が厳しく制限され、海外旅行や異国文化への人々の関心が高まる中で、中央アジアを舞台にした異文化描写は魅力的に見えた。
キャストの異常なまでの豪華さも話題になった。主演の堺雅人は「半沢直樹」(TBS系)や「リーガル・ハイ」(フジテレビ系)などの話題作で知られる国民的俳優であり、その演技力には絶対的な信頼感がある。そんな彼の脇を固めるのが、阿部寛、役所広司、二階堂ふみ、松坂桃李、二宮和也といった顔ぶれ。いずれも単独で映画やドラマの主役を張れる超大物俳優である。
これほどのメンバーが1本の地上波ドラマに結集すること自体が異例のことだった。もちろん、制作費が潤沢だったからこそ、この豪華キャストを揃えることができたのだ。