NHK連続テレビ小説「あんぱん」は18日に第58話が放送され、主人公・若松のぶの身近な人物である田川岩男と地元の少年リン・シュエリャンの関係にまつわる衝撃的な展開が描かれました。この出来事は視聴者の間に大きな波紋を広げています。
戦況悪化と絶たれる補給路
ドラマは「ドクターX」シリーズなどで知られる中園ミホ氏がオリジナル脚本を手掛け、国民的アニメ「アンパンマン」の作者やなせたかし氏夫妻をモデルに、激動の時代を生き抜く夫婦の姿を描いています。第58話では、駐屯地への補給路が絶たれ食料が底をつき、兵士たちが困窮する極限状況が描かれました。柳井嵩は乾パンから「朝田パン」を思い出しますが、その朝田パンも材料不足で休業。若松のぶら生徒は勤労奉仕として農家を手伝う日々を送ります。食料が尽きた駐屯地では、正気を失った兵士“コン太”こと今野康太が民家に銃を向ける一幕もあり、戦場の過酷さが浮き彫りになります。
岩男とリンの衝撃的な別れ
そんな緊迫した状況の中、田川岩男はこれまで交流を深めてきた地元の少年リン・シュエリャンに厳しい言葉で別れを告げます。「いいか、もう俺には付きまとうな」「おまえは、便衣だと疑われている」「スパイのことだ。もちろん、俺はリンを信じてる。だがな…」「お別れだ。これまで、ありがとうな。ザイフェア(さようなら)」と、リンの安全を案じる岩男の言葉でした。しかし、これに対しリンは岩男に抱きつきますが、その直後、表情が一変。真顔になり、目つきが鋭く変わる描写に視聴者は引きつけられました。
連続テレビ小説「あんぱん」第58話より、田川岩男(濱尾ノリタカ)に抱きつくリン・シュエリャン(渋谷そらじ)。この直後、リンは真顔になる衝撃シーン。
岩男と別れた後、嵩たちが歩いていると、遠くで銃声が響き渡ります。駆けつけると、岩男が腹部を撃たれて倒れている姿が発見され、八木信之介らも現場に駆けつけます。
謎多き岩男の行動と視聴者の反応
馬場力がリンが銃声の方向から逃走したことを指摘する中、岩男は意識が朦朧としながらも「待て!違うんだ!あの子は、関係ありません」と、自身を撃ったと思われるリンを庇う言葉を発します。八木が岩男の傷を確認し衛生兵を呼ぶよう指示する一方、リンは逃走した先で八木に銃を向け立ちふさがります。
この一連のあまりに衝撃的な展開に、放送後SNS上では「えっ?」「まさかの展開。リンくん、どうして」「リンは本当にスパイだったということ?岩男…自分の子どもに会えぬままに」「銃はリンが抱きついた時に岩男の懐から抜き取ったのかな」「今のリンくんの目つき、名演技」「リンくんの目が豹変した瞬間、戦慄した」「子どもにまで、これほどの憎しみを植えつけてしまう戦争の虚しさったら」など、驚きや考察、悲痛な声が多数寄せられ、トレンド入りする騒ぎとなりました。岩男が、我が子のように接し、危険から遠ざけようとしたリンに撃たれた可能性、そして彼を庇った理由について、視聴者の間で様々な憶測が飛び交っています。
残された謎と今後の注目
第58話で描かれた田川岩男とリン・シュエリャンの間の衝撃的な出来事は、「あんぱん」の今後の物語に大きな影響を与えることは必至です。なぜリンは岩男を撃ったのか、岩男は助かるのか、そして彼の最期の言葉ともとれる行動の真意は何だったのか。これらの未解決の謎が、今後の「あんぱん」の展開における最大の注目点となっています。