美容整形医の高須克弥氏(80歳)と漫画家の西原理恵子氏(60歳)は、そのユニークな関係性と、困難に立ち向かう姿勢で世間の注目を集め続けています。先日、高須氏がオーナーを務める競走馬「タカスタカスタカス」が新馬戦を勝利し話題となりましたが、その裏には、かつての詐欺被害を乗り越えたエピソードがありました。末期がんとの共存を選び、なお現役で活躍し続ける高須氏と、彼を支え、共に人生を歩む西原氏。本記事では、二人が織りなす「有限の恋」と、今日という日を大切に生きる哲学を深掘りします。
競走馬詐欺を乗り越え、共に楽しむ「高須節」の軽妙なやり取り
高須氏の愛馬「タカスタカスタカス」の勝利は喜ばしいニュースですが、西原氏が明かしたところによると、この競走馬購入には少々驚くべき経緯がありました。実は約10年前、高須氏は知人から競走馬の命名権共同購入を持ちかけられ、5000万円のうち半額の2500万円を出資したものの、JRAに登録申請すらされていなかったという詐欺被害に遭っていたのです。その知人とは大学時代の同級生で、命名権の話は嘘だったにもかかわらず「申請が通らなかった」とまで偽っていたといいます。返金はされたものの、それ以来連絡が途絶えていた人物から、再び競走馬購入の話が持ちかけられた時の高須氏は「前回のことあるから気分が悪いんだけど」と不満を漏らしたものの、最終的にはその話に乗って馬を購入。結果的に申請も通り、デビュー戦を勝利するという異例の展開となりました。
西原氏は、そんな高須氏を「馬鹿でしょう?」と茶化しながらも、二人の間には微笑ましいやり取りが繰り広げられます。「馬が勝ったお金で現代アートのLED照明を買ってほしい」という西原氏の願いに対し、高須氏は「絶対にヤダ!」「LED照明に8万円なんて、絶対ダマされてる」と断固拒否。その一方で、「美味しい瓶牛乳なら8万円払ってもいいな」と西原氏を煽るなど、2500万円を馬に投じる男が8万円の照明すらプレゼントしないという、二人の間の金銭感覚のギャップがユーモラスに描かれています。これは、長年の関係性から生まれる深い信頼と愛情の証とも言えるでしょう。
高須克弥氏と西原理恵子氏が都内ホテルで満面の笑顔を見せ、「Yesポーズ」を取る様子。長年の絆と闘病を支え合う二人の幸福な瞬間を象徴しています。
末期がんと共存11年:「生涯現役」を貫く高須院長の哲学
高須氏の人生は、競走馬のエピソード以上に、壮絶な闘病生活によって彩られています。2014年にがんを発病してから約11年。現在も末期がんとの共存を続ける高須氏は、愛知県の「高須病院」で回診を行い、「銀座高須クリニック」では自らメスを握るなど、精力的な医療活動を継続しています。プライベートでもゴルフ、麻雀、大相撲観戦とアクティブに動き回り、「もう末期がんのプロです」と語る西原氏の言葉が、その壮絶な日常を物語ります。
西原氏が「ダーリンは…」の連載開始直後に高須氏のがんが判明し、連載をどうするか悩んだ際、担当者が「(高須先生は)漫画になるのが一番好きな人ですから」と後押ししてくれたというエピソードは、彼の生き様がどれほど人々に影響を与えているかを象徴しています。高須氏は「なかなか死なないんです。ガンも治らない。もう共存ですよ。死なない程度に共存するんです」と、テロリストが家にいても崩壊せずに暮らすような独自の哲学を語ります。バブル期の100億円もの借金を完済したという経歴を持つ彼は、「なんでもずっと戦う人なんですよ」と西原氏が評するように、がん治療に対しても「新しい兵器を見つけて、試せるのは楽しいから」と前向きな姿勢を崩しません。この「生涯現役」を貫く覚悟こそが、高須氏の生き方そのものなのです。
「有限の恋」を深く味わう:今日を生きる価値と未来への思い
対談の終盤、疲れた様子の高須氏の足裏を西原氏が揉み始める姿は、長年連れ添った夫婦のような深い絆を感じさせます。高須氏が自身の壮絶な人生を記した『高須の遺言』(講談社)を上梓し話題となる中、西原氏は大切な人の最期に再び直面する可能性に触れつつも、自身の感情を率直に語ります。「『僕が死んだら、喪主をしろ』って言うんだけど、本当にイヤ」。これに対し、高須氏は「僕の葬式の喪主をするんだよ! 順番から言ってもそうだ。すでに遺言書にも書いてるんです」と応え、二人の間のオープンで飾り気のないやり取りが浮き彫りになります。
西原氏は、鴨志田氏を看取った経験から「あまり先のことは考えないようにしてるんです。“有限の恋”は、今日と明日のことだけ考えればいい」という人生観にたどり着きました。高須氏もまた、時間がなくなるにつれて「中身が濃くなってくる」「一日が速く過ぎる」と感じると語り、限りある時間をいより豊かに生きる大切さを共有しています。二人は、目の前にある良いことを見つけて幸せを分かち合い、様々な葛藤に負けないよう努めることで、「有限の恋」を深く味わいながら日々を過ごしているのです。
限りある時間の中で輝く絆:今日を噛みしめ、明日へ希望を馳せる
高須克弥氏と西原理恵子氏の対談は、単なる芸能ニュースの枠を超え、人生の困難にどう向き合い、愛する人とどう生きていくかという深遠な問いを投げかけます。競走馬詐欺という過去の苦い経験も、末期がんという厳しい現実も、二人の軽妙なやり取りと揺るぎない絆の前では、人生を彩るエピソードへと昇華されます。「今日」という日の価値を深く噛みしめ、「明日」への希望を馳せる二人の姿は、私たちに「有限の恋」の尊さと、限りある時間の中でいかに充実した人生を送るべきかを静かに語りかけているかのようです。二人の関係性は、多くの読者にとって、生きる勇気と感動を与えるメッセージとなるでしょう。
参照元
- FRIDAYデジタル: 『ドクターX』新シリーズ構想も吹き飛んだ! 米倉涼子が芸能界から″自然消滅″危機 (写真掲載記事)
- Yahoo!ニュース: 過去詐欺にあったのに…同じ人から競走馬の購入話にノリノリ (オリジナル記事)





