佳子さま、ブラジル訪問を終え帰国へ フォスで日系人と心温まる交流、壮観なイグアスの滝を視察

秋篠宮家の佳子さまは、約2週間にわたるブラジルご訪問の最終訪問地として、パラグアイやアルゼンチンとの国境に近いブラジル南西部のフォス・ド・イグアスに到着されました。佳子さまのブラジル訪問は終盤を迎え、この地では日系人コミュニティとの交流や、世界遺産であるイグアスの滝の視察が行われました。

フォスでの日系人コミュニティとの温かい交流

土曜日のご到着初日はあいにくの大雨となりましたが、市内ホテルで行われた地元の日本人会メンバーとのご引見は、遠路お運びいただいた佳子さまへの感謝と、一人ひとりへの丁寧なご対応に対する感激の熱気に包まれました。屋外での激しい雨にもかかわらず、地元の若者グループによる「前進太鼓」の力強い演奏が披露され、佳子さまは大きな拍手で感動を表されました。参加者は和やかな懇親のひとときを過ごし、皆が幸せな気持ちになったようです。

フォスの日本人会で最高齢となる、来月で99歳を迎える中村締さんは、ご引見で佳子さまと握手を交わしました。「自分たちが子供の頃は天皇家の方々は神様という扱いで、遠くから拝見することも許されませんでした。開かれた皇室を目指された戦後歴代の天皇陛下とご家族のおかげで、今日、じかに自分の手を握っていただけたことは、生涯忘れられない大切な思い出になりました」と、感激した様子で語られました。中村さんは満州からの引揚者で、戦後アマゾンでのゴム栽培の失敗を経て南伯へ転住し、ブラジル政府から得た土地で野菜作りを成功させたという苦労を重ねた方です。

佳子さまブラジル訪問 フォス・ド・イグアス日本人会にて最高齢の中村締さんが佳子さまと握手し笑顔を見せる様子佳子さまブラジル訪問 フォス・ド・イグアス日本人会にて最高齢の中村締さんが佳子さまと握手し笑顔を見せる様子

続いて、地元日本人会で初代会長を務めた根本一美さん(80歳)も、佳子さまと握手をする機会を得ました。根本さんは12歳だった1958年に家族と共にブラジルへ移住。その後、ブラジル三井物産で25年間勤務し、薄荷メントール事業を担当。イグアスに45年間暮らすこの地の長老のお一人です。

壮観!世界最大のイグアスの滝を視察

コミュニティとの交流が行われた翌日、天候が心配されていた世界最大の瀑布、イグアスの滝ご訪問の日曜日には、前夜までの激しい雨が止み、滝の見学に最適な空模様となりました。気温の大きな低下もなく、穏やかな気候の中で視察が実現しました。

朝9時ちょうどにイグアス国立公園に到着された佳子さまは、ジョゼ・ウリセス・ドス・サントス公園長の説明に熱心に耳を傾けられました。前夜までの豪雨によって水量が増した滝の爆音に驚かれたご様子で、ブラジルの台地が生み出した天然の造形物の壮観な景色をじっくりとご覧になりました。

視察の最後には、国立公園内にある唯一のホテル、ベルモンド・ダス・カタラタスに立ち寄られ、1958年創業のクラシックな佇まいをご覧になり、リラックスした様子で滝を後にされました。

10日間のブラジル訪問を終え帰国の途へ

午後、佳子さまはフォス・ド・イグアスからサンパウロ国際空港を経由し、帰国の途につかれました。

佳子さまは6月4日に成田を出発され、翌5日に約1万9千キロ離れたサンパウロ市に到着。それから15日までの10日間で、実に8都市を巡るという強行スケジュールをこなされました。休む間もなく、再び地球を半周する旅路を経て、日本時間の17日午後に成田に到着される予定です。

今回のブラジルご訪問は、日本とブラジルの友好関係を深め、特に広大な国土に暮らす日系人コミュニティとの絆を再確認する大変意義深いものとなりました。フォスでの温かい歓迎や、日系移住者の歴史に触れる機会は、両国の相互理解と友好親善に大きく貢献したと言えるでしょう。

参考文献

ニュースソース: Yahoo!ニュース (https://news.yahoo.co.jp/articles/2759e2548efb4bc8ef1d829c66e7bfcbe0988e1a)
関連動画: Brasil Nippou (https://www.brasilnippou.com/2025/250617-21colonia.html)