トランプ米大統領がイラン中部フォルドゥにある地下核施設を攻撃すると判断した場合、米軍は地中まで貫通してから爆発するように設計された地下貫通弾「バンカーバスター」を使用するとみられる。
フォルドゥの核施設は、山岳地帯にあり、地下深くに設置されている。このため、大型で地中深くまで貫通する最新型バンカーバスター「GBU57」が使用される可能性がある。
GBU57は、全長約6メートル、重さ約3万ポンド(約1万3600キロ)に上る精密誘導爆弾で、地表の下約200フィート(約61メートル)まで鉄筋やコンクリートを貫通して爆発するとされる。連続して投下すれば、さらに深くにある施設なども破壊できるとされる。搭載して運用している航空機は、米軍のステルス爆撃機B2だけだ。
バンカーバスターの概念で作られた爆弾は第二次世界大戦中にもあった。しかし、開発が進んだきっかけは1991年の湾岸戦争。多国籍軍側に、イラクが抱えていた地下施設などを効果的に破壊するための兵器がなかったからだ。米軍が短期間に開発して実戦に投入した。その後もアフガニスタンやイラクでの戦争で使用されながら、改良と開発が進められてきた。
一方、ロシアも独自に開発してきた。ロシア製のバンカーバスターはシリアの内戦時やロシアが2022年2月に始めたウクライナへの侵攻で使用されている。【ワシントン西田進一郎】