その生命保険見直し、本当に大丈夫? 家計全体で考える重要性

ライフステージの変化、例えば結婚や住宅購入などを機に、多くの人が生命保険の見直しを検討します。相談先として身近なのは、駅前やショッピングモールにある保険ショップ、あるいは勤務先や自宅を訪問する保険会社の担当者でしょう。しかし、「あなたに最適なプランを」という個別の保険商品に特化した提案が、必ずしも家計全体にとって最善の選択とは限らない場合があります。本記事では、会社員の梶原さん(仮名)の事例を通して、生命保険の見直しにおける注意点について解説します。

固定支出としての「保険」を見直す

会社員の梶原さん(仮名、43歳)は、パート勤務の妻と来年小学校に入学する5歳の娘がいる3人家族です。梶原さんの年収は550万円、奥様の年収は約100万円です。地方都市に住んでおり、昨年2,400万円で中古マンションを購入し、住宅ローンの返済が始まったばかりです。

梶原家の基本的な生活費は月24万円です。これに加えて、住宅ローンの返済とマンションの管理費を合わせた月14万5,000円の住居費がかかります。お子さんは娘さん一人だけを予定しており、教育方針としては、高校までは公立、大学は本人の希望があれば私立に行かせてあげたいと考えています。

住宅ローンの返済が開始されたことで、最近特に気になり始めたのが、毎月家計から支出される生命保険料です。梶原さんが現在加入している生命保険は、以前職場を訪れた保険外交員に勧められるままに契約したものでした。主契約は保険金額250万円の終身保険で、保険料払込期間は30年となっています。これに加えて、保険期間と保険料払込期間がいずれも10年の特約が複数付加されています。

生命保険見直しについてファイナンシャルプランナーに相談する様子生命保険見直しについてファイナンシャルプランナーに相談する様子

具体的には、以下の特約に加入しています。

  • 定期保険:保険金額750万円
  • 確定年金:年額200万円
  • 災害入院:日額5,000円
  • 入院医療:日額5,000円
  • 生活習慣病:日額5,000円
  • 通院:日額5,000円

これらの契約内容により、現在の毎月の保険料支払額は1万7,400円となっています。しかし、来年には特約の更新時期を迎えるため、保険料が月2万3,500円に上がると保険会社の担当者から説明を受けています。これは、毎月の固定支出として無視できない金額増加です。

保険会社の担当者ではない第三者の専門家の意見も聞いてみたいと考えた梶原さんは、週末を利用して近所のショッピングモール内にある保険ショップの予約を取りました。現在加入している生命保険の保険証券を持参し、自身の保険に保障の過不足がないか、そしてより家計に合った保険プランはないかを見直してもらうことにしました。

まとめ:家計全体を見据えた保険見直しの必要性

梶原さんの事例のように、生命保険の見直しは多くの場合、保険商品や保障内容に焦点が当てられがちです。しかし、保険料は家計の大きな固定支出の一つであり、住宅ローンや教育費など、他のライフイベントに関わる支出とのバランスを考慮することが非常に重要です。保険ショップのような手軽な相談先は有効ですが、提示されるプランが家計全体にとって本当に最適かどうかは、より広い視野での検討が必要です。


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