イスラエル政府は18日、中部バトヤムが被害を受けた15日のイランによるミサイル攻撃で、ウクライナから白血病の治療のために来ていた7歳の少女が死亡したと明らかにした。イスラエルメディアによると、少女の父はウクライナの前線でロシアとの戦闘を続けているが、一緒に暮らしていた母(30)と祖母(60)、9歳と13歳のいとこも巻き添えになった。
発表や地元メディアによると、少女はナスティア・ボリクさん。一家はユダヤ人ではなく、ボリクさんの治療を目的として、2022年にウクライナ南部オデーサからイスラエルに移住していた。ボリクさんは歩くことができず、移動にはベビーカーを使っていたという。
バトヤムでは15日、イランの弾道ミサイルが住宅地に直撃し、少なくとも9人が死亡、約200人が負傷した。イスラエルのヘルツォグ大統領はX(ツイッター)で「彼らは民間人であり、難民であり、希望にすがって生きていた一家だった」と投稿し、「弁解の余地のないイランの罪を世界は非難すべきだ」と訴えた。
イスラエルでは13日にイラン国内の核施設などへ空爆を始めたのを機に、イランの報復が激化。弾道ミサイルによる攻撃が断続的に続いている。【カイロ金子淳】