国民民主党 玉木代表、須藤元気氏会見に同席意向 山尾氏対応との「ダブルスタンダード」に疑問の声

国民民主党の玉木雄一郎代表は17日の記者会見で、来る参院選比例代表候補として擁立予定の須藤元気元参院議員の出馬会見に同席する意向を表明しました。過去に反ワクチン的な発言が問題視されている須藤氏について、玉木代表は「なぜ彼がそういう発信に至ったかも含めて、話もよく聞いたので、私とセットで説明責任は果たしていきたい」と述べました。

この発言は、先日、過去の不倫疑惑を巡り公認を取り消された山尾志桜里元衆院議員への対応と対照的であるとして、党内外から「ダブルスタンダードではないか」との疑問の声が上がっています。国民民主党は昨秋の衆院選で支持を伸ばしたものの、山尾氏の公認取り消し騒動以降、批判が相次ぎ、支持率が低下傾向にあると指摘されています。

山尾氏の会見同席は拒否、須藤氏とは一転

玉木代表が須藤氏への同席意向を示すわずか1週間前には、山尾氏が自身の出馬に関する会見を単独で行いました。この会見で山尾氏は過去の不倫騒動に関する質問に対し「その件は勘弁いただきたい」と述べるに留まり、批判が殺到。翌日、玉木代表は山尾氏の公認取り消しを発表しました。

政治ジャーナリストによると、山尾氏は後に発表した文章で、玉木代表に会見同席を求めたところ「辞退会見であれば同席する」と言われたことを明かしました。これを受けて山尾氏は「大変残念でした。ただ私には辞退の意思はありませんでしたし、会見するという自分の言葉を守る責任がありましたので単独で臨んだ次第です」とコメントしており、両者の間に深い溝が生じたことは間違いありません。

元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏も自身のX(旧Twitter)で、「山尾さんとも一度同席会見をやって、質問者と徹底的に議論した上で最終判断すべきだった。僕も上西小百合氏でやった」と述べ、玉木代表の対応に疑問を呈しています。

国民民主党の玉木雄一郎代表が記者会見で発言する様子(2024年11月撮影)国民民主党の玉木雄一郎代表が記者会見で発言する様子(2024年11月撮影)

須藤氏への対応と「ダブルスタンダード」への批判

山尾氏騒動直後の須藤氏の会見同席発言に対し、インターネット上では様々な意見が飛び交っています。

「山尾の会見は同席拒否して、須藤には同席するとは一貫性がない」
「辞退会見なら同席するなら、須藤氏も辞退じゃないと筋が通らない」
「山尾がアウトで須藤がセーフなのは理解し難い」
「今は須藤元気公認取り消して責任取れるかが国民民主が党勢回復できるかのカギだと思います」

このように、山尾氏と須藤氏に対する対応の違いを問題視し、「ダブルスタンダード」ではないかとの疑問や批判が相次いでいます。

須藤氏は元格闘家として知られ、2019年の参院選で立憲民主党から立候補し、比例代表で初当選しました。特に、コロナ禍においてはSNSを通じてワクチン接種の副作用について「健康被害」を訴え、繰り返し接種中止を主張してきました。一方、国民民主党は一貫してワクチンの必要性や有効性を訴える立場を取っており、この政策的な矛盾も今回の批判に拍車をかけています。

「党の方針と須藤さんの過去の発言や政策が真逆なだけに、“公認”に対して国民から多くの意見が出るのは当然のことでしょう。山尾さんにしても須藤さんにしても、国民民主党は立て続けに“人選”で支持率を下げている状況です」と前出の政治ジャーナリストは指摘します。

玉木代表は「セットで説明責任を果たす」と述べていますが、須藤氏の反ワクチンに関する過去の発言と党の方針との整合性をどう説明し、国民の理解を得られるかは不透明な情勢です。山尾氏の公認取り消しで支持率が下落していることについて「支持された原点に立ち戻る」と述べた玉木代表にとって、これ以上の失態は許されない局面を迎えています。

参考文献:
Yahoo!ニュース オリジナル記事