NHKで放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の第26回「三人の女」が7月6日に放送されました。この回では、主演の横浜流星さんが演じる蔦重と、橋本愛さんが演じる妻ていの夫婦関係に大きな進展があり、視聴者の注目を集めました。
物語の背景と二人の関係
本作は、18世紀後半の江戸を舞台に、「江戸のメディア王」と呼ばれた蔦屋重三郎の波乱の生涯を描くエンターテイメントドラマです。蔦重は、喜多川歌麿や葛飾北斎といった数々の才能を見出し、世に送り出しました。
ていは、もともと地本問屋「丸屋」の女将でしたが、蔦重が丸屋を買い取った際に「力を合わせて店をやっていきませんか」という蔦重の言葉をきっかけに結婚しました。しかし、当初二人は同じ家で暮らしつつも、部屋は別々という関係でした。
同居生活が生んだ変化
第26回では、米不足による生活苦から江戸に戻ってきた蔦重の生母つよ(高岡早紀さん)が、日本橋の店に転がり込むという出来事が起こります。ていはつよに自分の部屋を譲るため、怪しまれないようにと蔦重と同じ部屋で寝起きすることになります。
そんなある日、寝床の準備をしていた二人の手が衝立越しに偶然触れる場面がありました。ハッとして目を見合わせる蔦重とてい。蔦重はすぐに手を離し照れたように「すみません」と謝りますが、ていは触れられた方の手をもう片方の手でそっと握りしめました。この様子に、多くの視聴者が「うぶキュン」とときめきました。
ていの家出と蔦重の本心
「江戸一の利き者」として商才を発揮し、世のために本を作り、素晴らしい人脈を築いていく蔦重の姿を間近で見ていたていは、自分は何もできないと感じ、結婚前に出家を考えていた寺へ向かおうと家を出ます。
ていが部屋を共にしたことが嫌だったのではないかと考えていた蔦重は、寺の門前でていに追いつき家出の理由を尋ねます。そこでていから「江戸一の利き者の妻は、私では務まらぬと存じます。私は石頭のつまらぬ女です」という本心を聞かされました。
べらぼう第26回、横浜流星演じる蔦重と橋本愛演じるていが互いを見つめる様子。二人の夫婦関係に進展が訪れた場面。
心を揺さぶる「ただ一人の女房」への告白
ていの言葉を聞いた蔦重は、真っ直ぐな思いを伝えます。「俺ゃ、おていさんのこと、つまんねえなんて思ったことねえですぜ。説教めいた話はおもしれえし、縁の下の力持ちみてえなとこも好きでさね」。
実はていは、蔦重の仕事ぶりを見て、店で扱う本の「品の系図」を作ることを提案し、家を出る前に見事に完成させていました。これも彼女の確かな才能の一つでした。
蔦重の言葉はさらに続きます。「『出会っちまった』って思ったんでさ。俺と同じ考えで、同じつらさを味わってきた人がいたって。この人なら、この先、山があって谷があっても一緒に歩いてくれんじゃないかって。いや、一緒に歩きてえって。おていさんは、俺が、俺のためだけに目利きした、たった一人の俺の女房でさ」と、ていへの深い愛情を告白したのです。
大河ドラマ「べらぼう」で大店の主として風格を見せ始めた横浜流星演じる蔦重。ていを探し、本心を伝える直前の様子。
蔦重が差し出した手に、ていが自分の手を重ねたことで、二人はその夜、本当の夫婦となりました。
視聴者の感動と大きな反響
蔦重の飾り気なくも真摯な愛の告白は、多くの視聴者の心を強く打ちました。SNS上では「グッときた」「唯一無二の素敵すぎるプロポーズ」「感動して泣いた」「断れる女がどこにいるのか」といった絶賛と感動の声が多数寄せられ、大きな反響を呼んでいます。この第26回は、蔦重とていの夫婦の絆が真に結ばれた、物語において非常に重要な回となりました。
Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/0c2ebc751f0e0eddbcc7652b74477927be803f65